「現行の裁量労働制の健康確保措置も全面削除する」政府は働く人の命や健康に関心がないことが判明

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働く人の健康については何も関心がないことが明確に示されました。誰のための「働き方改革」なのでしょうか?詳細は以下から。

◆2月には「残業時間の上限規制」を人質に
裁量労働制を巡って行われた「裁量労働制で長時間労働にはならない」という主張がデタラメだらけのデータにを根拠にしていた問題で、安倍首相は3月頭に今国会に提出予定だった働き方改革関連法案から「裁量労働制の対象拡大」の削除に追い込まれました。

この削除の前にも安倍政権は残業時間の上限規制を裁量労働制の拡大などの複数の法案と「抱き合わせ」にして提出する方針であった事から、裁量労働制の拡大の法案提出を見送れば「残業時間の上限規制」もできなくなると恫喝。

加藤勝信厚労相は法案を白紙に戻すよう求めた立憲民主党の岡本章子議員に気色ばんで「(厚生労働省の労働政策審議会で)時間外労働の上限を規制する結論が出ている。それをすべきでないということか」などと、「残業時間の上限規制」を人質に取るような態度を見せていました。

過労死や過労自殺がこれだけ問題になっている現代日本の状況を鑑みれば「残業時間の上限規制」は何を置いても真っ先に行わなければならない重要イシューであることは一目瞭然。

そもそもの「残業時間の上限は100時間未満」という過労死ライン20時間超えのトンデモ基準である事を置いておくとしても、その規制すら「裁量労働制の拡大」を実現するための餌としてちらつかせる姿勢には不信感が高まっていました。

◆「健康確保措置の強化の全面削除」という報復措置
そして「裁量労働制の拡大」が削除された3月5日の参院予算委、安倍首相と関係閣僚が出席し、働き方改革に関する集中審議を開かれたのですが、ここでとんでもない報復措置が行われました。

加藤勝信厚生相は、働き方改革関連法案から切り離しを決めた裁量労働制について、健康確保措置の強化も「全面削除し、実態を把握した上で議論していく」と明言。

健康確保措置の強化には仕事の進め方に裁量がない新入社員らが対象とならないよう「勤続3年以上」とする要件の追加や「有給休暇の付与」などを企業の義務とする規定が盛り込まれる予定でした。

野村不動産という大企業で現行の裁量労働制が全社的に違法適用されて異例の行政指導を受け、過労自殺者の労災認定が下りるというニュースの流れた当日にこのような報復が行われることには驚きを禁じ得ません。

現行の裁量労働制ですら違法行為が横行し、過労自殺を招いているという悲惨な現実が目の前にあるというのに、その適用者のための健康確保措置の強化を全面削除するという方針は、政府は働く人の命や健康にまったく関心がないということを直接的に意味します。

◆これまでの安倍政権の報復措置
「この国の最高責任者」を自負する安倍首相は、これまでも自らに楯突く野党を始めとした反対者に対して報復措置を行う事がたびたびありました。その例をいくつか見てみましょう。

2016年の秋に開かれた臨時国会はTPP承認案年金カット法案で大揺れに揺れましたが、カジノ法案は議員立法は与野党合意が原則だったところをルールを無視して11月30日に審議入り。


延長した2週間程度の臨時国会の会期に無理矢理ねじ込まれた挙句、わずか2日間の審議で衆院内閣委員会で可決され、結果的に成立してしまいました。

2017年4月には「森友学園問題に触れた」という理由で自己負担引き上げの介護保険関連法案を強行採決しました。この日、衆議院厚生労働委員会で民進党(当時)の柚木議員は冒頭で森友学園問題に触れ、その後に介護保険関連法制について質疑を行っています。しかし日本会議国会議員懇談会に所属する自民党の田村憲久理事が森友学園問題に触れたことに激怒、審議をストップさせます。

安倍への森友質問は禁止される!柚木道義(民進)【全】:衆院・厚労委4_12 - YouTube


そして野党の質問後に自民党の三ツ林裕巳議員が「ただちに採決すべき」と質疑の終局と法案の採決を求める動議を提出、翌日の審議も全てすっ飛ばして自公維によって強行採決を行いました。これについて田村憲久理事は「法案以外のことを質問するなら十分質疑をしたという証拠だ」などと強弁。介護問題という極めて大きな問題が森友学園問題に触れられた事への報復措置に用いられたのです。


2017年の6月には、加計学園問題で激しく追求される中であまりにも批判が続くから頭に来て言ったんだという逆ギレした子供のような理由で「獣医学部新設を全国規模で認める」という国家戦略特区の新方針を表明しています。


また、安倍首相は2017年10月には総選挙後に「これだけの民意を頂いた。我々(自民党)の発言内容にも国民が注目しているので、機会をきちんと確保していこう」などとして衆議院での野党の質問時間を大幅に削減するという方針も表明。

Photo by keyaki

当然ながら大反対されたものの、野党の質問時間は削減されてしまっています。

政治の世界でのこうした報復に加え、基地移設に反対する沖縄平和運動センターの山城博治議長や森友学園問題の籠池元理事長夫妻らが法的に明確な理由もないまま長期拘留されるなど、安倍政権に批判的な市民に対する不条理な圧力が存在してることも指摘されるべきでしょう。

麻生氏、森友問題「個別調査しにくい」 書き換え疑惑:日本経済新聞

東京新聞:裁量労働制 規制強化も削除 予算委で厚労相「実態把握し議論」:政治(TOKYO Web)

(Photo by keyaki


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