軽い風邪で診察なら自己負担上乗せ、介護は近所の人やボランティアを活用、財務省の歳費抑制案が国民を殺しに来ている

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歳費抑制のためなら(国民が)死んでもいい!と財務省は考えているようです。詳細は以下から。

NHKの報道によると、アベノミクスで空前の好景気のはずが「先進国で最悪の水準にある日本の財政」を立て直すために財務省が医療費や介護費の膨張を抑える制度の見直し案をまとめています。

見直し案は、4月11日に開かれた財務省の審議会で示されたもので、医療や介護といった社会福祉のさらなる削減を求める内容で、場合によっては致命的なものでした。

◆軽い風邪で病院に来たら自己負担引き上げな
財務省は日本は海外に比べて、風邪などの軽い症状でも診察を受ける頻度が高いとしており、それが医療費の増加につながっていると指摘。

そのため医療費を抑えるために風邪などの比較的軽い症状で診察を受けた患者の窓口で支払う自己負担を引き上げるよう提案しています。

さらには患者の健康状態を把握している「かかりつけ医」以外の医療機関を受診する場合は、さらに上乗せ額を引き上げることも提案しています。


基本中の基本ですが、病気は予防や初期治療が極めて重要です。そして自分ではただの風邪だと思っていても診察で大きな病気が発見されるケースも少なくありません。

具合が悪くなって我慢しているうちに重症化し、結果的に治療が長期化したり後遺症が残ったりすれば、全体の医療費はより膨れあがることになってしまいます。

こうした影響は貧困層ほど受けやすくなりますし、幼児や高齢者では文字通りの命取りとなる可能性もあります。

◆介護は地域の住民やボランティアで代替しろ
財務省は介護保険に関し、調理や掃除などの身の回りの世話をする「生活援助サービス」の見直しを提案。現状では介護士の数など国の基準を満たした事業者のホームヘルパーなどを利用する必要があります。

しかし財務省は、介護費の膨張を抑えるという名目で、自治体の判断で地域の住民やボランティアを活用して安い費用でサービスを提供できるようにするべきだとしています。

介護保険に関して財務省は命に関わる制度の破壊を度々企んできました。これまでも「介護保険の福祉用具レンタルの切り捨て」や「要介護1、2外し」など、介護離職、介護崩壊や介護破産といった破局を招きかねない提案が繰り返し行われてきています。

今回の提案も介護の実態を全く理解しておらず、「近所のお年寄りに親切にしよう」レベルの認識としか思えないもの。

以前引用した公益社団法人・全国老人福祉施設協議会の意見書が問題を明確に指摘しているため、再度引用します。

家事援助についても単純に調理のみ、買い物のみを行っているのではなく、ケアプランに基づき訪問介護計画で明確な目標を掲げて実施しています。実施にあたっても食べ残しやゴミの状況から体調を観察したり、好みの変化や買い物の内容の変化で認知症の症状の進行を把握したりと専門職による支援をしています。特に認知症の独居の人にとって家事援助を民間サービスにゆだねることは、上記の支援が期待できなくなり、在宅生活の維持が難しくなることも考えられます。

日本の経済も財政も壊す政治 これ以上続けるわけにいかない 参院予算委 小池副委員長の基本的質疑より引用)


この民間サービスを「地域の住民やボランティア」と読み替えればどれだけ無理筋であるかは一目瞭然。生活援助サービスが「要介護度を悪化させない」という予防機能を持っていることを考えれば、無資格の素人がこれらを代替することは悪手と言わざるを得ません。

そして当然ながら、「介護士の数など国の基準を満たした事業者」の需要が減る訳ですから、ただでさえ人材不足が深刻な介護士がさらに働き場所を失って減ってゆくことは火を見るよりも明らかです。

◆財務省は(そして政府は)国民にさっさと死んでほしいのか?
これらの提案を見ると、財務省は国民の健康や生活、命には何の関心もないようにしか見えません。歳費抑制のためであれば病院での重病の初期発見や初期治療の可能性を狭め、介護サービスも著しく低下させようとしています。

折しも財務省は同じ審議会で公的年金の支給開始年齢を現行の原則65歳から68歳に引き上げる案も提示。馬車馬のように長時間労働して税金を払い、定年を過ぎたら医療費や介護費で可能な限り税金を使わず、年金も極力受け取らずにさっさと死ねばいいと言わんばかりの内容となっています。

ただしこれは単に財務省だけの問題ではありません。安倍政権はこれまで消費税率の引上げ分は、全額、社会保障の充実と安定化に使われます」「消費税財源は、その全てを確実に社会保障に使い、平成29年4月までの間も、着実に子ども・子育て支援、医療、介護等の充実を図りますとしてきましたが、そうした公約とは裏腹に社会保障は国民の命を脅かすレベルにまで削られようとしているのが実態です。


5年以上に渡る長期政権を維持している上に、常日頃から「最高責任者」「行政府の長」と自称している以上、その公約が実行できていない責任を安倍首相が負わないわけにはいきません。

こちらも公文書改ざん問題と同じように「財務省が勝手にやったこと」とするであるのならば、それこそガバナンス能力が全方位的に皆無であると認めることになってしまいますが、大丈夫でしょうか?

軽いかぜは患者の自己負担上乗せ 医療費など抑制へ提案 | NHKニュース

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