金持ちは貧しい人より「気前が悪い」ことが科学的に判明

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体感として分かっていたことに科学がお墨付きを与えた格好です。詳細は以下から。

◆金持ちは気前がいいわけではない
マザーテレサはかつて「貧しい人たちは、私たちが彼らに与えるよりはるかに多くを、私たちに与えてくれます」と述べましたが、そうした傾向が科学的にも明らかになりました。

ロンドン大学クイーン・メアリーの研究者らがジャーナルBasic and Applied Social Psychologyに発表した新しい研究によると、金を稼いでいる人ほどその儲けを他人と分かち合うことが少ないことが分かりました。

研究者らは社会実験として本物のお金を用いるゲームを実施しました。被験者らは「上級」「下級」に分けられ、最初に割り当てられる資産が決まります。

このゲームの中では、被験者らは自分が手元にキープする資産と全員で共有する共同積立金に寄付する金額を決定できます。なお、被験者の資産は時に運によって、また時には努力によって決定されます。

このゲームの結果、「下級」グループは「上級」グループに比べてより共同積立金に資産を投じました。一方「上級」グループは例え運によって資産を得た時でも共同積立金に寄付する事は「下級」グループよりも少なかったのです。

また、「上級」グループは努力によって資産を得た場合は運によって得た時よりもより寄付を行わないことが分かりました。

研究を主導したMagda Osman教授は「『上級』グループに属する人は、自らの資産が運によって得られたものか、努力によって得られたものかが協力のレベルを決める鍵だということが分かりました。これは『下級』グループの人には見られない傾向でした」と指摘します。

◆貧者が利他主義というわけでもない
またMagda Osman教授によると「自分が限られた資産しか持っていない場合、その資産を増やす明白な戦略は他者との協力です。誰かが協調的に動いたとしても、その理由は純粋な利他主義というわけでもないのです」とのこと。

つまり自分がするのと同じように他者も同じように共同積立金に貢献してくれれば、最終的には自分もそこから利益を得られるということ。

ただしもちろんゲームに参加する誰もが同じように振る舞うという保証はありません。別の言い方をすれば、「下級」グループの人は他の参加者が報いてくれる保証のないまま、より大きなリスクを取っていることになります。

Magda Osman教授は「もうひとつ驚くべき発見は、向社会的行動が(この場合では共同積立金への寄付)が思いやりとは関係ないところで行われていたということです」と指摘します。

「思いやりや共感が人々を社会的な行動に駆り立ててきたとこれまで多く主張されてきましたが、お金に関してはほぼ関係がなかったのです」とのこと。

◆つまり、どういうことなのか
この研究結果はマザーテレサの言葉の否定のようにも見えますが、日本の情けは人のためならずということわざを考えてみればむしろ納得のいくものとも言えそうです。

個として所有するリソースが少ない人々が、それらのリソースを共有することで社会的な存在としてまとまるということは、社会的動物としての人類が村落などの共同体を作って暮らし始めたことにまで遡れます。

BUZZAP!では以前インドのストリートチルドレンが自分たちの起業や学業のために自分たちのための銀行を設立して運営してることを取り上げましたが、こうした事例はシェアリングが感情的な自己満足のためだけに行われているわけではないことを示しています。

逆に自らが既に成功している場合は、敢えて誰かと資産をシェアしなくても自らの生活や富を維持できるわけですから、そのような「お金持ち」には共同体などとシェアをしなくてもやっていけるため、動機づけが薄弱になると言えそうです。

だからこそノブレス・オブリージュといった社会的責任が語られるようになるわけですが、今のところは個々の良心に任されているといった段階でしかありません。

なお、どれだけ儲けようと、さらに儲けて自分の資産を増やそうという人は少なからず存在していますが、そうした執着の理由まではこの研究では手が届いていません。

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