立憲民主党の「同性婚を可能にする法整備」は本当に改憲抜きで可能なのか?

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立憲民主党が現憲法下で同性婚を可能にできるとしていますが、本当にできるのでしょうか?詳細は以下から。

立憲民主党は、自らの党の考え方を示す憲法に関する考え方の中で、現在主にLGBTと故障されるセクシュアルマイノリティ(性的少数者)の人権について「あらゆる場面での差別解消など人権の確保・確立が必要だ」と指摘。合わせて同性婚について「可能とするよう法的整備をすることに憲法上の支障はないものと認識する」とし、今後同性婚を可能にする法整備を具体的に検討していくことにしています。


立憲民主党の山花憲法調査会長は「当事者の思いに添えるような政策を検討していきたい」と話しており、実現すればアメリカ合衆国やEU諸国、南米などに並んで先進国のスタンダードとも言える結婚制度が実現されることとなります。

ですが、憲法24条に「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」という条文があることから、同性婚の実現には改憲が必要との意見も日本国内には少なからず見られます。

これに関しては世界で初めて同性婚が認められたのが21世紀初年の2001年4月であることから、20世紀半ばに成立した日本国憲法は「同性婚を禁止したのではなく当時は想定されていなかっただけ」との見方もあることは押さえておかなくてはなりません。

現憲法下での同性婚の可能性については憲法に関する考え方の文言と共に同性婚の実現を求めるEMA日本の回答が参考になります。以下引用しますので合わせて参照してみてください。

日本国憲法第24条1項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」と規定することから、同性婚が憲法上禁止されているという主張があります。

しかし、この条文は、家族関係形成の自由・男女平等の理念を家族モデルに取り入れることを目的としたもので、憲法制定当時に同性婚を禁止する意図はありませんでした。

GHQの英文憲法草案による24条1項は以下の通りです。

Marriage shall rest upon the indisputable legal and social equality of both sexes, founded upon mutual consent instead of parental coercion, and maintained through cooperation instead of male domination.
(婚姻は、両性の法的・社会的平等にもとづいてなされるものとする。そして親による強制ではなく2人の合意に、男性による女性支配ではなく2人の協力に基礎を置く)

つまり、この条文は、”parental coercion”(親による婚姻の強制)や”male domination”(男性による女性支配)を是正するために、家族関係形成の自由・男女平等の理念を定めたものでした。

GHQによる憲法草案は、分りやすかった一方で文章が長かったため、最終的にこれらの文言が削除されて日本国憲法ができあがりました。そのため、当初の意図が分かりづらくなっている面があります。つまり同性婚を認めることも禁止することも想定されていませんでしたが、今日の日本語の条文ではこの点が不明確になってしまっています。

一方、憲法第14条1項は「法の下の平等」を定めています。このことから、異性カップルにのみ結婚を認め、同性カップルに認めないことは憲法の理念に反すると考えられます。

同性婚 Q&A EMA日本より引用


既に集団的自衛権についても「解釈改憲」と呼ばざるを得ないほどの極めて大きな解釈の変更が改憲なしで行われました。その際の変更の大きさを鑑みれば、同性婚の合法化は特別取り立てるほど大きな解釈の変更ではありません。

同性婚の合法化がどれほど大した変更でないかについては、以前も複数回引用したニュージーランドで2013年に同性婚が解禁された際のMaurice Williamson議員のスピーチからの抜粋を再び掲載します。

大半の反対意見は、一般の方、この法案が通ることで起こってしまうかもしれないことを心配している人たちです。そういった心配や考慮を私は尊重しています。
彼らは自分たちの家族などに降りかかるかもしれない「何か」を心配しているんです。

繰り返し言わせてください。
今、私たちがやろうとしていることは「愛し合う二人に結婚を認めよう」としているだけです。たっだそれだけです。
外国に核戦争をしかけているわけではありません。農業を壊滅させるウイルスをバラ蒔こうとしているわけでもありません。

私たちの「愛し合うカップルを結婚させてあげる」という法案の何が間違ったことなのかわかりません。もちろん自分とは違う人を好きになれないのはわかります。それはかまいません。でも、なぜ反対する人がいるのかわかりません。

この法案に反対する人に言っておきます。

この法案が採決されたからと言って
太陽は明日も昇ります。ティーンエイジャーの娘はそれでも、知った顔をして何でも反抗してきます。あなたの住宅ローンは増えたりしません。皮膚病にかかったり、布団の中にヒキガエルが現れたりしません。

この法案が採決されても、世界は何ごともなかったかのように回り続けます。

だから、この法案で大騒ぎするのは止めましょう。

この法案が通ることは、影響がある人に取っては素晴らしいものです。でも、そうでない人に取っては人生は何も変わったりしません。

同性婚賛成派のスピーチがNZらしさ全開で素晴らしい 日刊ニュージーランドライフより抜粋・引用)


同スピーチの動画はこちらから。


果たして私達日本人には、たまたま愛する人が同性である「愛し合う二人に結婚を認めよう」とする事に反対するどのような理由や必要があるのでしょうか?

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