【追記】新潮45でLGBTを徹底的に叩いた文芸評論家・小川榮太郎氏、代表作のはずの「論文」が存在しなかった

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その肩書きの根拠となる実績を確認できませんでした。詳細は以下から。

◆杉田議員を強力にバックアップし、LGBTを性犯罪と同列に並べた小川榮太郎氏
まず見ておいてもらいたいのが、休刊が決定した「新潮45」10月号に掲載された小川榮太郎氏の意見。

杉田議員同様、LGBTを「性的嗜好(正しくは性的指向、性的嗜好はフェチなどを指す)」と断言した上で性犯罪と同列に並べて語るなど、「【特別企画】そんなにおかしいか「杉田水脈」論文」という企画名に恥じない、偏見に基づく徹底したLGBT叩きを見せつけました。



「少数意見の偏重で国民は幸せになれるのか?」といったキャッチコピーが躍る本で対談するなど、杉田議員と親和性の高い小川榮太郎氏。だからこそ「LGBT支援の度が過ぎる」とする杉田氏同様、少数派のLGBTに対してここまで辛辣になれるわけです。


しかしBuzzap!で何度も何度もお伝えしている通り、日本のどこを振り返ってみても、LGBTに対して何らかの積極的な支援が行われているという実情はなく、多額の税金が投じられている実態もBuzzap!編集部員は寡聞にして存じません。

ここ数年で話題になったことといえば「同性パートナーシップ制度」ですが、あくまで異性愛者のカップルと同じ権利を認める制度です。異性愛者に先んじるものでも、ましてや優遇するものでもありません。「度が過ぎるLGBT支援」など、はじめから存在しないのです。

国会議員であればそのような実態を把握できるにもかかわらず、自ら進んで学ぶこともなく、反論の声を上げづらいマイノリティをスケープゴートに仕立てて叩く。反発が来れば「周りも評価してくれた」と言い放った上で雲隠れし、SNSで自分を擁護する意見だけをいいねし続けた杉田氏。


そのような杉田氏のスタンスは卑怯と言っても差し支えなく、尻馬に乗ってLGBTへの差別意識を剥き出しにした小川氏についても、その寄稿内容に批判が寄せられるのは当然のことと言えます。

杉田氏同様、「一節を取り出して批判されている」と言い張る小川氏。全文通して読んでもLGBTを否定する内容であることは、まず間違いないはずですが……



◆「文芸評論家」としての経歴に謎
さまざまな側面で杉田議員と似たようなスタンスの小川氏ですが、一つ気になるのはその肩書き。

安倍首相を称える本「最後の勝機」が発売された2014年時点のプロフィールでは、主要論文に「福田恆存の平和論論争」「セルジュ・チェリビダッケ」「ティーレマンの奇跡」などがある「文芸評論家」とされていましたが……


国立国会図書館が大学図書館など全国の図書館と協同で構築している調べ物のためのサービス「レファレンス協同データベース」を使って小川氏の著書や雑誌などを網羅的に調査しても、「福田恆存の平和論論争」という論文が出版された痕跡は存在しません。

「福田恆存の平和論論争」は、小川榮太郎に関するウィキペディアや著者紹介に記載されているが、掲載元がわ... | レファレンス協同データベース


また、2014年までに小川氏のセルジュ・チェリビダッケないしティーレマンに関する論文が刊行された形跡もなく、DVDやCDを視聴した感想文が公式ブログに掲載されているのみです。

ザ・クラシック評論:セルジュ・チェリビダッケ


奇跡の巨匠、ティーレマンの更なる衝撃(1)小川榮太郎(2009年10月22日)- 小川榮太郎 公式サイト


もしかすると図書館などに収蔵されない形で刊行された可能性もありますが、一般人の目に触れることもなく、なんらかの受賞歴があるわけでもない論文を文芸評論家の実績として列挙することについては賛否分かれそうなところ。

なお、商業媒体で確認できる小川氏の実績で最も古いものが、首相の資金管理団体による爆買いが判明した2012年刊行の「約束の日 安倍晋三試論」となっています。

同書刊行時も小川氏は文芸評論家と名乗っていたようですが、何をもってその肩書きを名乗ってきたのか、代表作とされる論文とは一体どのようなものだったのかが気になります。

・17:08追記
政治社会学者、木下ちがや氏の指摘によると、小川榮太郎氏の「福田恆存の平和論争」という1ページ程度のコラムは存在するとのこと。


・2018年10月3日追記
木下氏が指摘した「総特集 福田恆存」が2015年刊行であることが、河出書房新社公式ページで確認されました。

つまり、やはり2014年以前に「福田恆存の平和論論争」が出版された痕跡はなく、小川氏が文芸評論家を名乗るに至った代表作となる論文は、少なくとも多くの人の目に触れる形では存在しなかったと結論付けざるを得ません。

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和田 秀樹
SBクリエイティブ

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