福一の「処理済み汚染水」、84%でストロンチウムなどの放射性物質が基準値を最大100倍以上超過していたと東電が公表

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これまでも汚染水の状況については疑問符が付けられてきましたが、深刻な嘘が判明しました。詳細は以下から。

◆「処理済み汚染水」って何?
福島第一原発事故ではメルトダウンした核燃料を冷やすために原子炉内に水を注いでおり、放射性物質に汚染された水が建屋などの地下にたまっています。そこに地下水などが流れ込んでおり、現在も汚染水は1日に100トン前後発生しています。


汚染水は多核種除去設備(ALPS)という浄化装置で処理した後、原発の敷地内に設置されたタンクで保管されており、セシウムやストロンチウムなどの放射性物質の大半は取り除けるもののトリチウム(三重水素)だけは取り除くことができません。これがいわゆる「処理済み汚染水」であり「トリチウム水」とも通称されています。

政府や東電は原発敷地内に既にタンクが900基近く建てられており、今後2年程度で敷地が足りなくなるため「処理済み汚染水」を処分したい考え。

経産省は海洋投棄や地層処分、水蒸気として大気に放出など5つの方法を検討してきましたが、海洋投棄が最も安価で現実的な処理と考えており、「処理済み汚染水」についてもトリチウム以外は除去済みと説明してきました。

◆公聴会直前に東電の嘘が発覚
しかし政府の有識者会議が8月末に、富岡町、郡山市、都内の3ヶ所で処分について国民の意見を聞く公聴会を開催しましたが、その直前にトリチウム以外の放射性物質も基準を上回るレベルで残っていることが判明。公聴会では「議論の前提が崩れた」と批判が噴出し、ほとんどの参加者が海洋放出に反対することになりました。

それから約1ヶ月、東電がようやく8月上旬時点での調査の結果を公表しました。

東電は調査時点で88万7000トンあった処理水のうち、トリチウム以外の放射性物質濃度が基準値を下回っているものはわずか16%の13万7000トンにとどまり、84%の75万トンが基準値を超過していると推定。

その中でも全体の18%に当たる16万1000トンは基準の超過割合が10~100倍、7%の6万5000トンは100倍以上という絶句せざるを得ない数字が出ています。

問題は8月上旬の調査で東電がこの結果を知りながら、「処理済み汚染水」で他の核種が基準を大幅に超過しているにも関わらず「トリチウム以外は除去済み」と嘘を吐き、正真正銘の汚染水を海洋投棄しようとしていたこと。

これは漁業関係者を筆頭とする被災者らを騙して汚染水をこっそり処分しようとしたという意味で極めて悪質。決してはいそうですかと水に流せる話ではありません。

東電は、再び浄化装置を通す「再浄化」を行って放射性物質を基準以下に抑えるとしていますが、その前にいったいなぜ、誰の指示でこのような嘘を吐いたのかを明らかにする責任があります。

◆これは日本政府の問題でもある
福島第一原発の汚染水問題については政府も東電と共に「トリチウム以外は除去済み」として海洋投棄を中心に処分を検討してきており、決して他人事ではありません。

特に東京オリンピック誘致の際には安倍首相が「福島について、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています」と断言し、結果的に誘致を勝ち取っています。


再来年に迫った東京オリンピックを前にこうした事態が知れ渡り、その上で何の原因究明も行われないとなれば、日本の信用自体が世界的に大きく毀損されることは間違いありません。

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