オリンピックや外国人観光客のための羽田新飛行ルートを在日米軍が断固拒否、日米地位協定が足かせに

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自国の首都の上空を他国の軍隊の都合で飛ばせていただけないという状況です。詳細は以下から。

◆東京の上空を飛ぶ新飛行ルートを在日米軍が拒絶
2020年の東京オリンピックに向けて、羽田空港の国際便の発着便を増やすための新たな飛行ルートについて、在日米軍が拒絶したため運用できなくなる可能性が出てきました。

政府は東京オリンピックにむけて外国人旅行者を4000万人にするという目標のため、羽田空港の国際線の発着便の大幅増加を狙い、東京都心の上空を通過する新たな飛行ルートを2020年までに設ける方針を決め、関係自治体などに説明会を開催するなどしてきました。

加えてこの新飛行ルートが在日米軍横田基地が航空管制を行う空域を一時的に通過することから、政府は在日米軍が羽田空港を発着する航空機の上空通過を認め、航空管制も日本側が行うことを前提にアメリカ合衆国と調整を続けていました。

しかし2018年夏頃、アメリカ側は「上空通過も日本側が航空管制を行うことも認められない」という意向を伝えてきたためこの新飛行ルートの運用ができなくなる恐れが生じています。

政府は、これを受けて危機感を強め、アメリカ側との協議を続けていますが、事態打開の見通しはたっていません。

◆なぜ日本の空域に在日米軍が口出しできるの?
それは羽田空港のすぐ西から神奈川県や静岡県、新潟県まで1都8県にまたがり、最高高度は約7000メートルにも及ぶ「横田空域」が存在しているため。この横田空域は第二次世界大戦後、「日米地位協定」によって米軍の管制を認める事になっています。

この結果、今も例え民間航空機であったとしても、横田空域を通過飛行しようとすればその都度、米軍に届出て許可を受けなければなりません。

事前に一括して許可する運用はなされておらず、通常は非公開である米軍の飛行訓練などの事情があるため、理由を問わず不許可となる可能性も高いのが現状です。

このため航空会社は定期便の飛行ルートとして横田基地上空を回避して飛行する以外には事実上選択肢がなく、そのために余分な飛行時間や燃料が必要となり、最終的には利用者の運賃に跳ね返ってくる結果となっています。

◆日米地位協定とは?
日米地位協定は1960年1月19日に、安倍首相の祖父である岸信介首相とアイゼンハワー米大統領によって結ばれた新日米安保条約の第6条に基づき、日本とアメリカ合衆国との間で締結された地位協定で、主に在日米軍の日米間での取り扱いなどを定めています。

結果から言えば日本国内で在日米軍に裁判権を筆頭にさまざまな特権を認める協定となっており、1995年に沖縄で発生した3人の米兵が12歳の女子小学生を拉致、集団強姦した沖縄米兵少女暴行事件では当初この日米地位協定に基づいて犯人の身柄が日本側に引き渡されなかったことから極めて強い反発が巻き起こりました。

この事件以降、米軍基地を抱える15都道府県でつくる渉外知事会は日米地位協定改定を求め続けてきており、2018年8月14日には全国知事会が「総意」として日米地位協定の抜本的な見直しを日米両政府に提言しました。

この中では上記の「横田空域」にも関わる航空法や環境法令などの国内法を米軍にも原則適用すること、事件・事故時の自治体職員の立ち入りなどを地位協定に明記するよう要請。さらに米軍機の低空飛行訓練について、時期やルートを事前に情報提供するようにも求めています。

◆日本を取り戻す?
戦後73年も経ちながら未だにアメリカ合衆国に押しつけられた不平等な協定が現実に息づいており、犯罪を犯した米兵をかくまい、東京の空を覆っているというのが日本の現状であるわけです。

安倍首相は日本国憲法をみっともない憲法ですよ、はっきり言って。それは、日本人が作ったんじゃないですからねなどと評していますが、自らの祖父がアメリカ合衆国から押しつけられた不平等な協定をどのように認識しているのでしょうか?

「日本を取り戻す」として改憲を目指す前に、まずは外国の軍人に対する「日本の対等な裁判権を取り戻す」、そして外国の軍隊に牛耳られた「日本の首都の空を取り戻す」必要があるのではないでしょうか?

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