「料金とは別に会社が滞納した電気代も払わないと水を止める、あと値上げもよろしく」水道民営化の弊害の典型例、いきなり発覚

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先日可決されたばかりの改正水道法。成立後にようやく価格の高騰や水質・サービスの低下などの問題点が指摘され始めましたが、実際に民営化された場合にどのような事が起こるのかという典型例となる事案が報告されています。詳細は以下から。

◆「命の水」を民間に売り飛ばす改正水道法
水道民営化が起こった場合には受け皿となる営利企業が運営を行う事になるため、水道代の高騰の他、コストの掛かる設備投資を満足に行わなくなることからの水質の低下などの発生が懸念されています。


実際にヨーロッパでは多くの国で一度民営化された水道が再公営化されるといった動きも起こっており、時代遅れの方針であるとの批判は国会審議中から噴き出していました。

それでも改正水道法は成立し、水道民営化への道筋が開かれたのですが、既に日本国内で民営化された水道で、その弊害の典型例と呼べるような事案が発生しました。

◆既に日本でも起こっている「水道民営化」の弊害
岩手日報社よると、問題となっているのは岩手県岩手郡雫石町長山岩手山で住宅やペンションなど35軒に水道を供給するイーテックジャパンです。

イーテックジャパンは経営悪化を理由に、住民らに対して井戸水をくみ上げるポンプの電気料金負担をしなければ水を供給しないと通知し、生活に不可欠な水の危機に住民は混乱状態になっています。


同社は12月8日に同町長山岩手山の現地管理事務所で非公開の説明会を開催し、住民約20人が参加しました。

参加した住民によると、同社の担当者は経営悪化で東北電力に支払う水源ポンプの電気料金9、10月分を滞納中とのこと。住民にこの料金の負担を求め、支払わなければ12月17日に水道供給を停止する他、今後も水道料に電気料を上乗せするなどと説明しています。

イーテックジャパンのケースは地方の極めて小規模な業者の話ではありますが、「水道代の高騰」「サービスの低下」「サービス打ち切りの可能性」など、水道民営化によって発生する問題の数え役満状態となっています。

◆「水道民営化」がもたらすもの
少子高齢化に伴う人口減少の続く地方では、より大規模な自治体でも類似の事案が発生する可能性は十分にありますし、水道管の維持管理などの理由で採算の取れない遠隔地が切り捨てられる可能性もあります。

また営利企業の運営となれば当然収益性が求められることになるため、公園や公衆トイレなどへの水の供給が「差し控え」られる事も十分にあり得ます。


自然災害に遭った経験のある人ならば誰でも、最も大切なインフラが電気でもガスでもなく水である事は身に染みて理解しているはず。飲み水や食事の煮炊きだけでなく、洗濯にトイレやシャワーなど、衛生を保ち日常生活を送るために水は文字通り必須です。


また農業や漁業、畜産業といった1次産業はもちろん、工業や飲食業、清掃業など、多くのビジネスにとっても水はなくてはならない存在です。

そうした文字通りの「命の水」を営利企業が握り、高額な料金を払わなければ使用できなくなったり、水質やサービスが低下することは私たちの日常生活やビジネスの根底を揺るがすことにもなりかねません。

◆ではどうすればいいのか?
では既に改正水道法が成立した現在、私たちはどうすればいいのでしょうか?ポイントは水道を民営化するかどうかは、現状で水道を運営する地方自治体に決定権があるということ。

自分の住む地方自治体が水道をどうしようとしているのかに注目し、民営化への反対意見を伝えること、さらには地方選挙で民営化反対の立場を取る首長や議員に投票していくことが現実的と言えるでしょう。

水道代の値上げやイーテックジャパンのような問題が増えれば、「水道は民営化しません」という公約が地方自治体にとってアピールとなる可能性もあります。そうした機運を盛り上げていくことも大きなプラスになるはずです。

自分の飲み水をどうしたのか、自分で動いて選ぶ余地はまだ残されています。

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