賃金や労働時間の動向を示す厚労省の「毎月勤労統計調査」、もはや統計と呼べない重大なルール違反が発覚

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残念ながらこれは統計とも調査とも呼べる状況ではありません。詳細は以下から。

◆厚労省の「毎月勤労統計調査」で致命的なルール違反
厚生労働省が賃金や労働時間などの動向を調べて毎月公表している「毎月勤労統計調査」で、従業員500人以上の事業所は全数調査するルールだったものの、一部のみ抽出するケースがあったことが判明しました。

問題が発見されたのは東京都の事業所を対象にした調査。都内には500人以上の事業所が約1400あるものの、3分の1の500程度のみを抽出して調べていたことが分かりました。

勤労統計は、統計法で国の重要な「基幹統計」と位置付けられており、調査の信頼性が崩れ去ったことになります。

◆「毎月勤労統計調査」の問題は9月にも指摘されていた
厚労省の「毎月勤労統計調査」に問題が指摘されたのは今回が初めてのことではありません。BUZZAP!では今年の9月30日にアベノミクス最重要統計の「賃金伸び率」水増し捏造が「統計委員会」に指摘されてしまう | BUZZAP!という記事を掲載しています。

これは9月28日に政府の専門的かつ中立公正な調査審議機関である「統計委員会」が、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の賃金伸び率が実態を表していないと公式に指摘したものです。

厚労省は2018年1月、世の中の実態に合わせるとして「毎月勤労統計調査」で大企業の比率を増やして中小企業を減らすデータ補正を行ったものの、その影響を考慮せずに伸び率を算出。企業規模が大きくなった分「賃金が急伸する」という結果となりました。

統計委はこの日、賃金の伸び率は「正式」な数値よりも算出の方法をそろえた「参考値」を重視していくことが適切との意見でまとまりました。また、厚労省がデータ補正の問題を夏場まで「隠蔽」していたことに対して統計委の西村清彦委員長は「しっかりした説明が当初からされなかったのが大きな反省点」と苦言を呈しています。

デフレ脱却を掲げる安倍政権の目玉経済政策であるアベノミクスにとって、賃金の伸びは極めて重要な統計となるため、この時点で既に政策の成否に関する「印象操作」を越えた統計データの「水増し捏造」が行われていたことになります。

◆基幹統計である「毎月勤労統計調査」の信頼性が崩壊
9月の大企業を増やして中小企業を減らすことによる賃金伸び率の「水増し捏造」と、今回の「事業所からの一部抽出」を並べてみると、いったい何が行われていたのかを推測することができます。

前提として、全数調査の対象の一部のデータのみを抽出するという致命的なルール違反があった時点で基幹統計であったはずの「毎月勤労統計調査」の信頼性が失われていることは言うまでもありません。

ですが、もしここで賃金が高く労働時間が短いといったアベノミクスの目標に沿った企業が作為的に抽出されていたとなれば、これはもはや統計とも調査とも呼べない「大本営発表」の政府広報ということになってしまいそうです。

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