「記事を削除しなければ訴訟」netgeek編集部を名乗る匿名の人物からBuzzap!編集部に怪メールが届きました

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netgeekについて書いた全ての記事を削除しなければ訴訟を起こす」と記されていましたが、いろいろ疑問点が多く、このメールを本物と考えるのはさすがに失礼、おそらくなりすましではないか…というレベルでした。詳細は以下から。

◆「netgeek編集部」を名乗るGmailアカウントからの怪メール
BUZZAP!編集部に、被害者らによる集団訴訟がテレビでも大きく取り上げられたフェイクニュース大手「netgeek」編集部を名乗る匿名の人物から怪メールが届きました。

この人物からの要請は「netgeekについて書いた全ての記事の削除」で、すでに「福知山警察と警視庁渋谷警察署刑事部には相談済み」であり、削除に応じなければ訴訟を起こすというもの。

例として「『netgeek』集団訴訟の支援を求めるクラウドファンディング、開始早々とんでもない反響に」「大内彰訓(腹BLACK)さん運営の大手フェイクニュースサイト『netgeek』提訴、集団訴訟でキー局ニュースに」「大内彰訓(腹BLACK)さん運営の『netgeek』集団訴訟へ、被害者の会が結成され会社情報公開も」といった記事を挙げており、集団訴訟がらみの報道が特にお気に召さない様子です。

とはいえ、現時点では「netgeek編集部を名乗っただけで連絡先や差出人の名前などが一切書かれていない謎のGmailアカウント(n*****k.g***s@gmail.com)から送られてきた匿名の怪メール」としか判断できず、メールの内容に信憑性もクソもあったものではありません。

YouTubeなど各種Googleサービスを利用するためにメディアの編集部がGmailアカウントを取得する事はありますが、他社にそうしたアカウントで(しかも訴訟絡みの)連絡を取る事は、社会人としての常識が欠片ほどでもあれば絶対にあり得ません。なりすましの可能性が十分に考えられます。

◆BUZZAP!の記事を見て会社住所に凸?
怪メールの冒頭付近では「記事には多数の事実誤認があり、これを見て信じた人が記載された住所を訪れて一線を越えた嫌がらせに手を染めています」と指摘。

この「住所」とは、netgeekのデマで名誉を毀損されたストラテジスト・永江一石氏が集団訴訟を起こすにあたり、自らのウェブサイトおよびツイッターにアップした、netgeekを運営する会社法人の登記を指すようです。

会社登記は公開情報のはずですが、この件については上記の記載に加えてさらに2度言及されています。

「記載されている住所は当時の時点ですでに無関係になっていました。それにもかかわらず、民家にいる無関係な第三者が嫌がらせにあい、警察沙汰にまで発展しております。Buzzapの記事は幇助にあたると考えています」

「Buzzapが書いた誤情報を真実だと信じ、現地住所を訪れて違法行為を行った者がいる」

不思議なのは、永江一石氏によって2018年11月に投稿され、さまざまなウェブ媒体を経由して広まったこの住所に対し、現地を訪れて嫌がらせをした人物がBUZZAP!の記事を信じて訪れたと断言していること。

このツイートや住所の画像は某巨大掲示板をはじめネット各所に貼られていましたが、訴訟の際に何をもって「BUZZAP!の記事が原因である」と立証するつもりなのでしょうか。

なお、実際に無関係の住所を登記しているのであれば「(刑法第157条)公正証書原本不実記載等罪」に該当するおそれも。

つまりもしこのメールの差出人が本当にnetgeek運営者であれば、犯罪の可能性を自ら告白したことになるため、本記事は公益性のために保全する必要が出てきます。

◆自称ネットギーク編集部による、デマを拡散した言い訳がこちら
こうした調子でBUZZAP!の記事が事実誤認であるなどと書き連ねていますが、傑作なのは以下のくだり。

「泉放送制作の記事について「無関係な人」と書かれていますが、netgeekの記事では冒頭にテレビ局の社員として紹介したまでであり、泉放送制作のスタッフだとは書いておりません。記事はテレビ局全体の問題に触れてからその問題の細部である制作会社の問題に触れる流れでした。無関係な人が誤って掲載されていたわけではありません」

これはnetgeekの「日テレ・フジ・TBS・テレ朝の16番組以上を1つの制作会社が担当して偏向報道やりたい放題。日本は乗っ取られた」(魚拓というフェイクニュースを批判した記事に関するもの。

タイトルの時点で「1つの制作会社」が「偏向報道やりたい放題」しているとされ、記事冒頭ではさも元凶であるかのように一般人の顔を実名付きで晒しものにしています。(※モザイクはBUZZAP!編集部にて追加)


最初から「日本国民なら誰もが知るテレビ番組の数々は一つの制作会社が局をまたがって担当している」と決めつけたもので、「記事はテレビ局全体の問題に触れてからその問題の細部である制作会社の問題に触れる流れ」という説明はまったく当たらないわけです。

もし泉放送制作および晒しものにされた人物がnetgeekを名誉棄損で訴えることとなった場合、法廷でその理屈を言えるのか……という気がしてなりません。

◆30近いまとめブログ運営を「事実無根」という無理筋
さらに「30近いまとめブログを運営していた」と指摘したことを「事実無根です」としていますが、これは有志がnetgeekが使っているGoogle AdSenseのコードを検索したことで発覚したもの。


少なくとも上記リストにあるAKB48速報でnetgeek立ち上げを告知していたことは間違いありません。


もしこれらのまとめブログがnetgeekに全く無関係なら、赤の他人のアドセンスコードで30近いまとめブログを運営してくれる親切な妖怪が実在することになり、なんとも羨ましい限りです。

◆「訴訟を起こします」と断言していたので弁護士に確認してみた
最後にBUZZAP!記事に対し「netgeekについて書いた過去記事でも多数の誤った記述や名誉毀損にあたる表現があることが分かりました」と指摘した自称・netgeek編集部。もはやギャグとしか言いようがありません。

なお、よくネット上の喧嘩で見られる「訴訟を検討する」という表現ではなく「訴訟を起こします」と明言していたため、BUZZAP!編集部でも念のため弁護士に確認を依頼。結果的には「こんなもので警察が動くと思っているのか?」と呆れられて終了でした。

すでに弁護士と打ち合わせをしていたのであれば、送付する文面の内容についてもしっかり精査してもらえばよかったはずですが…。

◆結論:なりすましによる怪メールと判断せざるを得ません
「独自ドメインを持っているにもかかわらずGmail」「差出人にnetgeek編集部とだけ書かれ、連絡先などは一切書かれていない」「指摘も説明もガバガバ」と、あまりにも粗雑かつ稚拙だった今回の怪メール。

よってBUZZAP!編集部としては、この怪メールはnetgeek編集部を騙る支持者か愉快犯が勝手に送信したものと判断せざるを得ません。

本来であれば無視しても構わないレベルの怪メールでしたが、同様のメールが他にも送付されている可能性を考え、敢えて本件について記事化し、周知を図る事としました。

もちろんフェイクニュースでの名誉棄損の被害者らからの集団訴訟で忙しいnetgeek編集部としても、自らの与り知らない「裁判をちらつかせる怪メール」が飛び交うことはマイナスでしかありません。早期に対処した方がよさそうです。

なお、netgeekに対する名誉棄損などの損害賠償集団訴訟を支援するクラウドファンディングは開始早々とんでもない反響となり、予定額をオーバーする形で成功しています。


そして…まさかとは思いますが、もしこれが本当にnetgeek編集部が送ったメールであれば、内容を再度推敲した上で、連絡先などを明記した「本物と分かる形」で送付願います。

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