【コラム】アマゾンでの過去最多級の山火事、ブラジル大統領の主導する「人災」との指摘

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南米アマゾンで昨年の8割増しという多数の山火事が発生しています。しかもこれが単なる自然現象ではなく政治的な意図による人災と指摘されています。詳細は以下から。

◆アマゾンで過去最悪級の多数の山火事が発生中
日本ではまだそこまで大きく取り扱われてはいませんが、先日から海外メディアやSNSを中心に南米アマゾンでの山火事の話題が見られるようになりました。

ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は今年のアマゾンでの火災は8月までで74000件を超え、2018年よりも84%増加していることを指摘。これは2013年以降最大で、2013年の2倍に当たります。

そしてまだアマゾンは本格的な山火事の季節の到来を迎えていませんが、現時点で過去最多の2016年の火災数68000件を超えています。本来ならばその季節は8月に始まって11月に終わり、ピークは9月とされています。

現在山火事の煙はブラジル国内外に流れ出し、サンパウロでは昼間でもこのような真っ黒な空が広がる事態となっています。

アマゾンが世界最大の熱帯雨林であることは誰もが知るところですが、森林には光合成によって酸素を生み出す一方で二酸化炭素を吸収する働きがあります。一説には大気中の酸素の20%を生み出すとも言われており、同時に大量の二酸化炭素を木の形で蓄えています。

このアマゾンが山火事によって破壊される時、当然ながら大量の二酸化炭素や一酸化炭素といった温室効果ガスが放出され、また二酸化炭素の吸収能力も低下します。

アマゾンの先住民らの中にはこうした山火事と付き合いコントロールしながら生きてきた部族も存在していますが、それは森林を再生させることが前提です。しかし、今起きている大火災は性質が全く違います。これは極めて政治的な「人災」の側面を持っています。

◆アマゾンの大火災が「人災」である理由とは
ブラジルの極右として知られるボルソナーロ大統領は、就任した2019年1月から環境保全に対するこれまでの政権の方針を大転換しました。アマゾンの環境規制を大幅に緩和し、先住民の土地を農業や鉱業の為に開放したのです。


またボルソナーロ大統領は環境庁の予算を24%カットし、法執行を半年で20%減らしています。また上記の火災8割増を報じたINPEのトップを「嘘をついた」として解任してしまいました。

ボルソナーロ大統領は「キャプテン・チェーンソー」「熱帯のトランプ」などの異名を持っていますが、その理由はここまでの説明で十分でしょう。

環境保護NGOらや海外メディアは、現在のアマゾンの多発する山火事は単なる自然災害ではなく、農業や牧畜などの為の土地を作るために大統領の方針を後ろ盾にした業者らが先住民の土地だろうと構わずに放火して焼き払っていると指摘しています。


ボルソナーロ大統領は「今は山火事の季節だから」とロイターの取材に答えています。彼はまた「昔はキャプテン・チェーンソーと呼ばれてたけど今はネロだ。アマゾンに火を放ったからだってよ」とも述べています。

そしてその後はこの山火事を、環境保護NGOが活動費用を削減した政府に対する復讐のための自作自演の放火だと主張。ただし、この主張に沿う証拠は何も提示できていません。

ボルソナーロ大統領は8月21日にFacebook Liveでも「断言はしないけど、これはNGOの連中のブラジル政府と支持者に対する犯罪行為だと思ってるよ。これは俺たちが直面してる戦争なんだ」などと発言しています。

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