感情能力の弱い人ほど右翼思想や差別主義に染まりやすいとの研究報告

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政治思想と感情のマネジメントの間には少なからぬ関係が見出されるようです。詳細は以下から。

政治的な思想と人格にはどのような関係があるのでしょうか?SNS上で連日繰り広げられる戦いを見ていると、なんとなく大まかな雰囲気や傾向があるようにも感じますが、科学的な研究でその一端が明らかにされています。

ベルギーのゲント大学の Alain Van Hiel教授がジャーナルEmotionに発表した最新研究によると、感情の理解やマネジメントの不足が右翼思想や偏見を抱く事と関係している事が分かりました。

研究はふたつのパートに別れており、最初の研究では983人のベルギー人の学部学生の感情能力と政治思想を査定。続く研究では被験者の認知能力を試験しました。

感情能力は「感情能力の状況テスト」「感情マネジメントの状況テスト」「ジュネーブ感情認知テスト」の3種類のテストによって測定されています。

これらの研究によって、Van Hiel教授は感情能力の弱い人、特に感情の理解とマネジメントが弱い人ほど右翼的権威主義と社会的優位性への順応が高い傾向を発見。

右翼的な権威主義の人格特性は政治的権威への服従と他集団への敵意に代表され、社会的優位性への順応性は社会集団間の不平等へのひいきの度合いによって計られます。


Van Hiel教授は「権威や強力な指導者を支持し、不平等を気にかけない人(これらは右翼的政治思想の二本柱になっている)の感情能力が低いという明らかな結果が示された」と指摘します。

このような感情と認知能力の低い人々は「白人は他の全ての人種に勝っている」といった明確な差別主義にも賛意を示す傾向が強いとのこと。

ただし、この研究は年齢や性別、教育レベルにおいて調整されたものではあるものの、因果関係ではなく相関関係を示すに留まるもの。感情や認知の能力の低さが必ずしも当人の思想の方向性を決め、偏見で満たすとは限りません。

また西洋社会以外の社会の文脈での実験はここでは行われていないため、世界中の他の文化を持つ地域での研究が待たれます。

(Photo by John Kittelsrud

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