Uber Eats配達員たちが労働組合を日本で結成か、「保険・労災なし」など問題視

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高度情報化社会の新しい働き方ですが、解決すべき課題も多く、まっとうな待遇や賃金を求める動きが起こっています。詳細は以下から。

ここ1~2年で日本でも急激に浸透してきたUber Eats。ファストフードやファミレスなどのチェーン店に加え、地域の有名店からも多少の手数料でいわゆる「出前」を頼めるシステムは忙しい人にも面倒くさがりにも便利です。


ですが、その便利なシステムを担うUber Eats配達員の労働環境には多くの問題があることが指摘されており、配達員らによってウーバーイーツユニオン準備会という団体が構成され、労働組合の結成を目指すことになっています。


◆ウーバーイーツユニオン準備会の3つの要求
ウーバーイーツユニオン準備会の主張は大きく分けて3つ。ひとつ目は、配達員は個人事業主扱いのため労働法が適用されず、事故にあっても労災保険の適用がないということ。

準備会はUber Eatsに対して対人・対物だけでなく配達員自身も保護される保険の提供を求めており、また国に対して労災保険が適用されるよう法制度の整備を求めています。

ふたつ目は運営の透明性です。配達員はUber Eatsアプリ経由で配達の依頼を受けているものの、アカウントを一方的に停止されたり、仕事を振られなくなるようなことがあるとのこと。

準備会はUber Eatsにアカウントの一方的な停止をやめ、配達員の評価や、アカウントの停止手続などについて説明責任を果たした運営の透明性を要求しています。


みっつ目は適切な報酬。現在配達員がレストランに商品を受け取りに行く際の「受け取り料金」は一律の金額となっており、準備会は「受け取り料金」を距離に応じた報酬制度とすべきとしており、都市毎の報酬の違いにも地域別最低賃金などに基づく平等性を求めています。

まとめると、労災保険の適用を巡る待遇の問題、いわゆる「解雇」などの運営方針を巡る透明性の問題、そして報酬体系の問題ということになります。

◆個人事業主だから労災適用されない現状は是か否か
この中でも真っ先に問題としてあげられているのが労災の適用です。現在の労災保険法では、企業が労働者を「雇用して労働力を利用する」ことを前提にしており、個人事業主扱いで働いている人をカバーできません。

このためUber Eats配達員が配達中に事故に遭ったとしても、Uber Eatsはまったくなんのコストも支払う必要がありません。


準備会は、労災保険制度の趣旨を「企業が労働者の働きによって利益を上げているならば、労働者が被る危険についても負担すべき」とするものであると指摘していますが、Uber Eatsは労働者の事故のリスクに対するコストを支払わず、フリーライドしている事になります。

こうしたことから、準備会はUber Eatsに対して対人・対物保険だけではなく配達員自身を保護する保険の提供を要求。その一方で国に対して早急な法整備を求めています。

◆Uber Eatsだけでなく全プラットフォームワーカーの問題
そしてこの話、実はUber Eats配達員だけでなくインターネット上のプラットフォームから仕事を受けて働く「プラットフォームワーカー」全体に当てはまる問題でもあります。

このプラットフォームワーカーという言葉はこの数年で登場した言葉で、ギグ・エコノミーやクラウドワーカー、オンデマンドワーカーなどの呼び方も混在しています。

仕事を発注するプラットフォームはレイバープラットフォームと呼ばれ、労務提供者は仕事の発注者と直接マッチングされて個人事業主として仕事を受注するという形態になります。

こうしたプラットフォームワーカーは企業と雇用関係にある労働者として認められていないため、最低賃金法による最低賃金が適用されません。同様に上記の労災を筆頭に企業の福利厚生制度や公的社会保険制度が適用されないケースも多発。

また解雇に関する規制もないため、企業側としては好きな時に好きな値段で働かせられ、労災や保険などの社会保障費を浮かせることができ、労働者に比べて容易に解雇もできるという、極めて安価で使い捨てのしやすい駒として使うことが可能となります。

このため、新たなワーキングプアを生み出す可能性が強く危惧されており、海外では労災や保険などの待遇や賃金の保障などを求める集団訴訟も発生しており、法改正が行われた例も。


こうしたレイバープラットフォームは本件のUber Eatsの他、Uber本体や日本ではランサーズやクラウドワークスなどが挙げられます。

今回はUber Eatsに対する労働組合の結成ですが、プラットフォームワーカーの現状のような働き方が変わらなければ、各プラットフォームに対する労働組合が次々と結成されることになる可能性もあります。

(Photo by Pedro Ribeiro Simoes, Franklin Heijnen

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