「Go To Travel」「テレワーク70%」が同時進行する矛盾、政府の新型コロナ対策が「アクセルとブレーキ両方ベタ踏み」状態に

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通勤して職場に行くのを控えるように求められ、同時に旅行に行くことは推奨されるという非常に奇妙な状況になっています。詳細は以下から。

7月26日夕方、東京や大阪、愛知を筆頭に、日本中で新型コロナが感染拡大していることを受け、西村康稔経済再生担当大臣は会見で「じわじわと重症化リスクのある60代以上の高齢者の感染が増えている」と述べ、「経済界へのお願い」として企業への協力を呼びかけました。

そこで求められていたのは以下の5点です。

・業種別ガイドラインの徹底
・テレワーク70%・時差通勤
・体調の悪い方は出勤させない 相談し、PCR検査を勧める
・大人数での会合は控える
・接触確認アプリCOCOAの導入促進

◆「テレワーク70%」と「Go To Travelキャンペーン」という矛盾
この中で大きな驚きで迎えられたのが「テレワーク70%」というもの。これは一時20~30%にまで減っていた通勤者が最近は7割程度に戻っていることを受けたものです。

ですが、7月22日には鳴り物入りで「Go To Travelキャンペーン」がはじまっており、これに対しては新型コロナ対策分科会の尾身茂会長も移動自体が感染拡大につながらないとの立場を明らかにしていました。

西村経済再生担当相の会見により、移動が安全なのか危険なのか国の内部で方針が分かれるという極めて異常な事態となっています。

「尾身会長が述べたのは新幹線などの旅行目的の移動についてだ」との見方もできますが、そうなると通勤電車は旅行の移動とは異なって危険ということになり、これまで多くの人がしてきた「満員電車クラスター」の発生を認めることになります。

「移動ではなく職場環境が問題で、そこに出勤する人を7割減らすべきということだ」という話になると、今度は本来抑制すべき外出を煽り、宿泊施設や観光地に不特定多数の観光客を集める「Go To Travelキャンペーン」の前倒しでの強行自体に説明がつかなくなります。


なお、7月26日東京都で239人、大阪府で141人、福岡県で90人、愛知県で80人など全国で835人の新たな新型コロナ感染者が確認され、累計感染者数が3万人を超えました

これは緊急事態宣言が出されていた4月よりも多く、過去最多の981人を記録した23日以降、連日700人以上の感染が確認される状態が続いています。

こうした状況下で「テレワーク70%」を求めるのは極めて妥当と言えますが、人の移動を促す「Go To Travelキャンペーン」継続との両立は文字通りアクセルとブレーキを両方全力で踏み込むような大きな矛盾と取られかねません。

◆企業に「PCR検査を勧める」よう求める前にすべきこと
また「体調の悪い方は出勤させない 相談し、PCR検査を勧める」と企業に求めていますが、現在でもPCR検査抑制論が根強く残っており、ネット上には長期にわたって体調が悪く味覚障害が起こっていたり、感染者の濃厚接触者であっても検査対象としてもらえなかったという声が多数挙げられています。


PCR検査の拡大が遅々として進まない理由に日本独自の硬直した官僚主義的な体制が大きく関わっていることを舛添要一元東京都知事が指摘していますが、政府がすべきことは企業への要請ではなくPCR検査を誰でもすぐに受けられるようにする体制の構築であることは言うまでもありません。

加えて、自治体によってはPCR検査のキャパシティが極めて少ないケースもあり、例えば日本第3位の人口を誇る政令指定都市の名古屋市は1日130件程度にとどまっています。こうした状況の改善も急務なはずです。

◆「大人数での会合は控える」という特大ブーメラン
ソーシャル・ディスタンスを保つために「大人数での会合は控える」ことは確かに大切ですが、当の自民党内では麻生財務相率いる麻生派が7月16日に政治資金パーティを開催

この会場となったホテルニューオータニには1000人を超える支持者らが詰めかけて物議を醸しました。

これ以外の自民党の派閥も8月から9月に同様の政治資金パーティーを計画しており、企業に「大人数での会合は控える」ことを求めている政府与党自らがそれに大きく反した行動を行っていることになります。

現在もイベントなどでは、緩和されたものの収容人数の50%か5000人以下という制限が付けられており、飲食店や劇場、映画館などでも席数を間引いての営業を続けているケースが多々あります。

罰則付きでの休業要請も取りざたされる中、こうした要求と政府与党の行動の矛盾に批判が集まる可能性もありそうです。

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