五輪組織委「財政難で医療ボランティアに報酬出せない」→高額な役員報酬(年間2400万円)はそのままでした

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新型コロナで逼迫した医療現場から疲弊した医師や看護師を無償で引きずり出してオリンピックの医療ボランティアに従事させることを明言した東京オリンピック組織委員会。

最も重要な役割を果たす医療関係者に払う金がない今、そのトップに鎮座する役員たちの報酬はどのように設定されているのでしょうか。詳細は以下から。

◆組織委は「医療ボラは無報酬」のコロナ前の方針を堅持
運転から通訳、医療、技術、メディア対応など専門職級のスキルを求められながら、大会期間中や複数回の事前研修のための宿泊費や滞在先までの交通費などは全額自己負担。そんなタダ働き以下の「ボランティア」に支えられる予定だった東京オリンピック。

新型コロナでの延期に伴う追加費用対策で「コスト削減」強く訴えるものの、肝心の東京オリンピック組織委員会の役員報酬は当初の年間2400万円(宿泊・交通費などは別途支給)で据え置きとなっていたことはBuzzap!でも今夏に報じたとおりです。

新型コロナを巡る日本国内の事態はその後も好転することはなく、12月26日には全国の感染者が3880人と過去最多を記録。オリンピック会場ともなる東京都でも949人と過去最多となっています。

そうした中で21日には日本医師会や日本病院会など9つの医療関係団体が合同で記者会見を開いて「医療緊急事態宣言」を出し、「誰もが平等に医療を受けられる日本の医療制度が風前のともしびになっている」と医療崩壊が始まりつつあると警告しています。

本来ならば開催すら危ぶまれる事態の中、組織委はあくまで開催を前提としていますが、コロナ禍の中で開催するならば感染拡大防止は最重要課題のはずが、医療ボランティアにはびた一文払わないという姿勢を一切変えるつもりはありません。

すでに今年9月の段階で組織委は「報酬を原則的に支払わない」とするコロナ禍以前の方針を堅持することを明言していました。

必要とされる5000人以上医療ボラは、新型コロナ以前からある業務に加え、選手や観客への感染防止対策など新たな仕事が加わり、自身も感染リスクを負うことになるなど状況は極めて苛烈です。

この際にも批判が起きましたが、東京新聞は12月22日付での武藤敏郎組織委事務総長が改めて「組織委からは報酬を出せない。財政的なゆとりがない」との回答したことを報じています。

延期に伴う予算では、大会経費は2940億円追加されてオリンピック史上最高額の1兆6440億円となりましたが、それらは施設維持費やコロナの検査費用などに回される予定とされています。

以前東京新聞は五輪会場で1日当たり計200~300人の医療従事者が必要となることを報じました。仮に全員にそれぞれ日当1万円を支払っても大会全体でもわずか数億円にしかなりません

ですが新たに追加された延期費用2940億円の中からも、その程度の費用すら捻出できないというのが組織委の見解ということになります。

では、そこまで財政のひっ迫した組織委員会の高額な役員報酬は現状どうなっているのでしょうか。見てみましょう。

◆年間報酬最大2400万円の東京オリンピック組織委員会
まずは一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が2014年9月に定めた役員報酬に関する約款をおさらいしてみます。

一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会


「役員」とは理事および幹事を指すもので、「報酬」とは別に交通費/通勤費、宿泊費などの旅費、手数料などを含んだ「費用」の項目があります。


通勤の実態に応じた役員の通勤費だけでなく、交通費や宿泊費などの各種費用を組織委員会が負担するとのこと。


役員報酬一覧はこんな感じ。月額最大200万円、年額にして最大2400万円が支給されます。


それでは組織委員会の役員一覧をチェック。森喜朗会長の下には副会長が6人いますが、YouTubeで差別動画を垂れ流しアカウントを停止された竹田恒泰氏の実父、竹田恆和氏は東京五輪招致にまつわる贈収賄容疑でフランス当局の捜査対象となり、2019年に退任しています。


他に専務理事や常務理事が4人いるほか、理事として作曲家の秋元康氏や麻生太郎副総理の弟で麻生セメント会長の麻生泰氏など24人が名を連ねるなど、基本的な構造は変わっていません。


つまり12月28日現在、公式サイトの情報を見る限り役員報酬は新型コロナ以前から一切変更されていないことになります。

延期に伴う追加予算によって1兆6440億円というオリンピック史上最高の「金の掛かる五輪」となることになった東京オリンピック。

それでも組織委は「財政的なゆとりがない」と感染拡大防止に必須の医療ボランティアへの報酬提供を固く拒みながら、1人あたり年間最大2400万円にもおよぶ役員報酬を支払う方針を変更する様子は見られません

はたしてこのままで、疲弊しつつも医療崩壊を必死で食い止めている医療関係者らの理解が得らえるのか、組織委はもう一度考え直す必要がありそうです。

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