「前に見た時にはなかった石」が火星探査機の前に出現、成分も「これまで火星では見たこともない」もの
火星上で1ヶ月以上同じ場所から動いていなかった探査機の目の前に突然謎の石が出現し、大きな論争を呼び起こしています。
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2004年に火星に降り立ち、多くのミッションに従事してきたNASAの火星探査機オポチュニティ。NASAが当初想定した耐用期間の10倍以上が過ぎた現在も活動を続けています。
現在は火星のエンデバークレーターの縁にあるSolander Pointと名付けられた地点で天候の回復を待っており、1ヶ月以上同じ場所から動いていませんでした。
ところが1月8日に撮影されたSOLYMPIC 3540(オポチュニティが火星に到着してから火星の自転周期の計算で3540日目の意味)に突如としてドーナツ状の石ころが写ります。これは火星での4日前にあたるSOL 3536には写っていなかったもの。
火星探査機の主任研究者であるSteve SquyresさんがNASAに語ったところによると
「この石は私たちがこれまで見たことのないものだ。
非常に多くの硫黄とマグネシウムを含み、これまで火星で発見された石の最大値の2倍ものマグネシウムを含んでいる。
これが何を意味するのか私には分からない。私たちは完全に混乱しており、チームのメンバーはみな喧々諤々の議論をしている」
とのこと。NASAも「驚くべき遭遇」との題名でこの件についてステートメントを発表しています。
この石はドーナツ状で、外側の縁の部分が白く、真ん中が凹んでいて暗い赤色をしているため、「ゼリードーナツ」のニックネームで呼ばれています。
なお、現時点でSquyresさんはこのゼリードーナツの正体は小さな隕石で吹き飛ばされた火星の石がオポチュニティの近くに転がってきたのではないかとしています。
また、別の仮説ではオポチュニティのホイールにひっかかっていた石ころが転がり落ちてこの場所に現れたのではないかとのこと。
どちらにせよ、オポチュニティの前に現れたのが火星のどこにでもあるただの石ころでないのは事実のようです。この発見が次のどのような発見につながるのか続報が待たれます。
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