完全にジブリの世界、旅客機が初めて実用化した1930年代の空の旅が素敵



ある意味スチームパンクとも言えるのかもしれませんが、たまらない光景です。

1903年にライト兄弟によって始まった飛行機の歴史。第1次世界大戦での軍用機の実用化を経て1927年にはリンドバーグによる大西洋単独無着陸飛行が成功し、旅客機としての利用が本格化するのが1930年代です。

乗客10人の「ボーイング 247」(1933年)、乗客14人の「マーチン M130」(1934年)、乗客21人の「ダグラス DC-3」(1935年)、乗客33人の「ボーイング 307B」(1938年)などが相次いで開発され、1930年には年間6000人に過ぎなかった旅客機の乗客は1934年には45万人に、1938年には120万人にまで増加します。

最初はビジネスや超富裕層の旅行にしか使えない値段でしたが、機体の大型化と共に少しずつ一般の富裕層にも手の出る価格になっていきました。

この時代の旅客機の最初期のものには乗客用座席という特別な座席は存在せず、このような普通の椅子が配置されていました。当然ながらシートベルトという発想もありません。





また操縦席と客席が区切られておらず、乗客はパイロットの後方に座っていたことになります。


こちらは今ではちょっと想像できないコンパートメント型の座席。どう考えても現代の飛行機よりも揺れたはずですが、大丈夫だったのでしょうか?



まるで豪華な列車のよう。基本的にエコノミークラスなどは存在せず、全てが富裕層向けのファーストクラス扱いのため、内装がいちいち豪華です。


こちらは食事の様子。なんとも優雅な雰囲気が流れています。


もう少し時代の下った20世紀半ばの機内食の様子を以前BUZZAP!ではお伝えしたことがありますが、やはりこの時代でも旅客機という存在が富裕層向けのサービスであった事がよく分かります。

ジブリ映画の「紅の豚」の時代設定が1920年代末から1930年代に向かう世界大恐慌の時代を舞台にしていることを考えると、写真の男女の服装や機体のディティールなどはファンにはたまらないもの。じっくり細部を眺めると新たな発見があるかもしれません。

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