創刊以来の大幅リニューアルを行った「クウネル」が空前の酷評を浴びています。詳細は以下から。
女性向けライフスタイル雑誌として知られる「クウネル(ku:nel)」。2002年に「アンアン(anan)」の増刊号として創刊され「ストーリーのあるモノと暮らし」をテーマに2003年から隔月で発行されてきました。
女性向けとは言いつつも、しっとりとセンスの良い表紙や特集の見出しに銀行や病院の待合室などでふと手にとったことのある男性も多いのではないでしょうか。
そんな「クウネル」が1月20日に発売された2016年3月号から編集長を「オリーブ」「アンアン」などの編集長を歴任した淀川美代子さんに変え、50代以上の女性をターゲットにテーマも「かわいいものに、トキメキたい」に刷新するという大幅リニューアルを決行。結果、既存の読者からこれ以上ないほどの総スカンを食らっています。
Amazonの「クウネル」2016年3月号のレビュー欄には22日16時現在で89件のレビューが投稿されていますが、そのうち83件が星1つ、3件が星2つという有様になっています。
星1つのレビューには静かで丁寧な文章が並び、クウネルがどのように変わってしまったのか、極めて分かりやすい例えで説明されています。幾つか抜き出してみます。
「実家の母親が留守の間に部屋に来て、それまであったものを全部捨てて、ケリーだのロイヤルコペンハーゲンだのでケバケバしく勝手に模様替えしてしまうような行為」
「古きよき商店街が区画整理でまとめて潰されて大型スーパーになったような気分」
「好んで訪れていた懐かしの場所が、いざふらっと立ち寄ったら、名前だけは残して跡形もなく様変わりしていた」
「いつもつたない話を聞いて頷いてくれていた優しい男友達が急にマッチョになって、「なにうじうじしてんだよ!」と肩を叩いてくる」
「お気に入りの小さなビストロが、改装のためしばらく休んでいた。
新装開店で行ってみたら、店名が同じだけの別の店になっていて。
素材にこだわって丁寧につくられていたメニューは一新されて、
よその店でも食べられるような個性のない料理が並んでいる。」
レビュアーたちは、「クウネル」を廃刊するのでもなく、単に名前だけを残しながら端から端まで全てを完全に別物にしてしまった淀川新編集長に対して憤りと悲しみを露わにし、もう2度と買わないことを宣言します。そしてこれまでの「クウネル」との思い出を語り、感謝を表明し、さよならを告げます。
その様子はまるで、理不尽な事件や事故でこの世を去った親愛な人を送る葬儀のよう。「クウネル」がこれまでどれほど読者に愛されてきたかをこの上なくよく表しています。
「クウネル」は固定読者の声を聞き、昔のような雑誌に戻るのでしょうか?それとも新たな路線を邁進することになるのでしょうか?
なお「クウネル」を創刊し、2010年まで編集長を務めた岡戸絹枝さんは現在雑誌「つるとはな」をつくっています。
昨日のクウネルショックの流れで、クウネルの元編集長がつくってる「つるとはな」って雑誌を知った。ぱっと目に入った見出し…
「母性本能?
くすぐってねえよ」
なにこれすごい読みたいんですけど pic.twitter.com/NZTNxvQPh0
— 瀧波ユカリ 冬は熱きホルモンを噛む (@takinamiyukari) 2016, 1月 21
ku:nel(クウネル) 2016年 03 月号 [雑誌] 本 Amazon.co.jp
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