あまりにも美しく、リアルで艶めかしいMarina Bychkovaの「魔法にかけられた」人形たち
まるで本物の人間であるかのような完璧な人間の造形を持ち、艶やかな色気さえも漂う少女たちの人形を作り続ける作家がいます。詳細は以下から。
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ロシア系カナダ人の人形作家、Marina BychkovaさんがEnchanted Dollの名前でが作成し続けているのは極めてリアルな人形です。彼女の作品は単に解剖学的に正確であるだけではなく、見る人の心を惹きつけてやまない魅力を持っています。
その証拠に彼女の人形は世界中の人形鑑定家から重宝され、ひとつ数十万円で取引されています。最も高値がついた人形はeBay上で7万6500ドル(約930万円)で落札されました。
Bychkovaさんの人形は人生と運命に翻弄されたかのようなとても神秘的で思慮深く、時に悲しげな表情を見せます。深い感情を湛えた瞳と艶めかしい唇の繊細な美は何時間見ていても飽きることはありません。これらの人形の関節にはボールジョイントが用いられているため、好きなポーズを取らせることも可能です。
Bychkovaさんはロシアのノヴォクズネツクに生まれ、6歳の時から人形制作を始めたのですが、その動機は自分の空想の中にだけ存在する人形と現実に遊ぶことができなかったから。彼女は人形制作を不断の決意で習得し、ついに自分の夢の中だけにいた人形を現実世界の存在へと受肉させることに成功したのです。
彼女の人形の特徴のひとつは、人形の目がガラスでできておらず、Bychkovaさんが全て自らの手でひとつひとつ描いているということ。そうしたこだわりをあますところなくきわめつくすため、ひとつの人形をつくり上げるまでに掛かる時間は150時間から350時間にも及びます。
「私が人形を作るのが好きなのは、それが総合芸術だから」とBychkovaさんは自らのHPに記しています。「人形を作るためには、彫刻、工業デザイン、絵画、彫版術、金型製作、製図、彫金、ファッション、ジュエリーデザインの全てをやらなきゃいけないし、私は全部やりたいの」とのこと。
BychkovaさんはカナダのバンクーバーにあるEmily Carr Institute of Art and Designで学ぶ中で社会的、精神分析的、そしてフェミニズム的な要素をその作品の中に取り入れていきます。そうした中で作られた最も衝撃的な作品のひとつが乳癌と闘う女性を表現したこちらの作品。髪の毛が抜け落ちた頭は宝石で飾られ、取り外し可能な乳房の下には手術痕が残り、後光と共にまるで菩薩のような表情を見せています。
これ以外の作品は彼女のHPのギャラリーから閲覧可能。物によっては現在オークションに出品されていますが、勝ち取るには100万円単位のお金が必要になることは覚悟しておいたほうがよさそうです。
The Anatomically-Correct Enchanted Dolls of Marina Bychkova Oddity Central – Collecting Oddities
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