まるで絵にしか見えない、100年前に撮影されたLeonard Misonneの写真たち
写真にしか見えない絵はたびたび話題になりますが、絵にしか見えない写真はまったく違った趣があります。詳細は以下から。
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写実性の申し子であるはずの写真。しかし撮る人によっては絵画のような風合いを纏うようになります。
1870年にベルギーのジリに生まれたLeonard Misonneは、故郷のベルギーとヨーロッパ全土を旅して回り、風景と人々を「ピクトリアリスム」というスタイルで写真に収めていきました。
ピクトリアリスムはオイルやゴム状の重クロム塩酸を用い、柔らかく絵画のような印象の写真を現像する方法です。19世紀末から20世紀初頭に掛けて流行したこのスタイルは記録媒体だった写真を新たなアートの形態のひとつにまで昇華させてゆくことになります。
Misonneは「空が風景の鍵となるのだ」と述べていますが、彼の写真は絶え間なく動く雲や朝霧、差し込む陽射しなどによって満たされており、写真に捉えた被写体や風景と、自らの手による現像とプリントのプロセスの神がかり的なバランスによって成り立っています。
選ばれた被写体は人間や動物、都市の風景に田園、自然と100年前に存在した様々なものが選ばれています。そして光、雲や霧、雨など、自然現象を余すところなく取り入れた写真はまさにアート作品と言うほかありません。
当たり前のように美しい「画像」を目にすることができ、Instagramなどのエフェクトで簡単にこうした効果を作り出せる現代だからこそ、そこに至る最初の一歩がこうして踏み出されていたことを思い出してみるのもよいかもしれません。
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