【閲覧注意】ミノタウロスの皿×家畜人ヤプー？AGF「ブレンディ挽きたてカフェオレ」のCMが笑うに笑えないおぞましさ

ポスト ツイート シェア はてブ LINEで送る コメント

AGFの「ブレンディ挽きたてカフェオレ」のCMとされる動画がとんでもなくおぞましいことになっています。詳細は以下から。

コーヒーメーカーAGFから発売されている「ブレンディ挽きたてカフェオレ」。そのCMとされる2分半の動画がYouTubeにアップされているのですが、内容が擬人化された牛の高校の卒業式というもの。

擬人化された若い男女の牛たちは時に悩みながらも楽しく高校生活を送り、そして卒業式を迎えます。そこで卒業証書の代わりに「卒牛証書」なるものを受け取り、それぞれの「進路」へと進んでいきます。

ある者は牧場へ、そしてある者は望み通り動物園へ。手のつけられない不良は闘牛場に送られ、おとなしそうな少年は「田中ビーフ」へと送られてしまいます。

そして主人公の少女は「巨乳女子高生」という設定なのですが、B判定を乗り越え、たゆまぬ努力の結果、「ブレンディ」へと進路を決めます。そこで校長先生は「濃い牛乳を出し続けるんだよ」と声をかけ、特濃牛乳を100％使用した「ブレンディ挽きたてカフェオレ」が画面に映し出されます。

実際の動画は以下から閲覧できますが、まさに閲覧注意です。

Blendy Milk Coffee 2015 Ad - YouTube

あくまで牛の擬人化として見たとして、「社畜」という言葉が一般化してしまう日本社会を気持ちが悪いほどに再現しています。望んだ進路が動物園で見世物になるということも、牛肉として食べられるしか先がないという現実も、現在の日本を見ると笑い事にはなりません。

藤子・F・不二雄の「ミノタウロスの皿」や天野哲夫の「家畜人ヤプー」を思わせる非常にグロテスクな世界観ながらも、それがぴったりと今現在の日本と重なりあってしまうところがおぞましさを倍増させます。

製品に絡んだ主人公の少女へのセクシズムもこの上なく気持ちの悪いものですが、女子高生への性的な目線を含んだ消費などはNHK教育の「むちむち！」をBUZZAP!では以前取り上げましたが、それ以外でも世間に満ち溢れているもの。

そして「濃い牛乳を出し続けるんだよ」というこのセリフ、何かを彷彿させる思ったら「マッド・マックス怒りのデス・ロード」の母乳を絞られる女たち、マザーズミルクでした。

未来世界や別の星系、イモータン・ジョーの砦などで行われていたことが日本の高校を舞台にして再現されるとここまでおぞましくグロテスクになってしまいます。

ですが、これが今の日本社会とどれほど違うのか？と問われた時、若者を家畜のように従順に育ててより分け、「社畜」として社会へと送り出していっている、そして自分たちもそういった場所を通ってこざるを得なかったという、決して笑い飛ばせない現実が私たちの目の前にあるのではないでしょうか。

そういった意味ではこの動画はアイロニーに満ち溢れ、現代日本の暗部をえげつないまでに深くえぐったショートムービーとも言えるのかもしれません。

なお、この動画のコメントの中には「ベジタリアンが畜牛への扱いを批判的に描いたものとも見ることができる」という意見もあります。もちろんカフェオレのCMなのでメーカーとしてはそうした意図はあり得ませんが、人間が家畜に対してこうした「非人間的」な扱いをしているという視点からも、非常にショッキングな内容と読み取れそうです。

編集部注：
この動画は最新のCMではなく2014年11月に作成されたもの。9月27日に字幕付きの動画がYouTubeにアップされ、Twitterなどによって拡散され、非常に気持ち悪いとして国内外で話題になっています。HPの記述を見るに、アイロニーに溢れたブラックジョークではなく普通に「“牛”達の卒業式を描いた超感動作思わず牛に感情移入?! WEB限定ムービー公開」と紹介されていることまで含めてこの上ないホラーとして見ることができそうです。