うどんを使ってうどんを茹でる、うどん県・香川から「うどん永久機関」が登場
香川県といえばうどん、うどんと言えば香川県。県民のうどんに対するラブは他県の住民を圧倒する勢いですが、今度はうどんを中心とした「永久機関」のような、とんでもない仕組みが作られようとしています。
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うどん まるごと循環 残り物 肥料やバイオ燃料に : 香川 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
2009年段階の情報ですが、香川県内のうどん工場から年間1千トン規模の廃棄うどんが焼却されているとか。それを聞きつけた高松市の機械メーカー「ちよだ製作所」の池津英二社長(72)が、産業技術総合研究所四国センターなどと一緒に、うどんからエタノールを取り出す研究に着手したのがことの始まり。
意外にもうどんは木材や植物など他のバイオマスに比べてエタノール原料の糖になりやすいということで、プロジェクトは着々と進行。2010年には裁断したうどんに酵母を加えて発酵させ、エタノールを蒸留することに成功しました。しかも、200キロのうどんを一度に処理可能で、1週間にエタノール60リットルを抽出する大型プラントも建造するなど、その本気が見て取れます。
このプロジェクトは県のモデル事業に認可されるにあたって、「うどんまるごと循環プロジェクト」と命名されました。うどんからバイオエタノールを作り出し、それを燃料としてうどんを茹でるという構図ですが、さりげなく含まれている「青ネギ」の矢印は何とも言えずシュール。
県からは約580万円の助成金を受け、当面はうどん店を展開する「さぬき麺業」の県内8店舗と2つの工場で廃棄されるうどん(年間10~15トン)を処理する予定。うどん県にはその名に恥じず約900ものうどん店があるため、残飯となったうどんの回収を福祉施設に委託するなどして、参加店の拡大に向けた仕組み構築も急いでいるそうです。
さぬき麺業の香川社長は「うどんは製造量の3~5%が廃棄されており、大手の工場では年1000トンを超える。また、大半が焼却処分されている。」「県内のうどんを、文字通り丸ごと循環させる夢に向かっていきたい」と話しています。
うどんを使ってうどんを茹でる、まさに「うどん永久機関」とでも呼びたい、壮大な計画です。当事者たちの熱さ、自信たっぷりさに心奪われそうになりますが、冷静になるとそもそもうどんの廃棄量はこれ以上減らせないものなのか、という点がちょっと引っかかります。大量生産にロスはつきものとはいえ、バイオエタノール化も含めた廃棄と消費のバランスが取れるとよいのですが。
「うどん県」と書いた郵便物(年賀状)がちゃんと届くように、日本郵政に要潤うどん県知事が要請しに行くなど、斜め上を目指したアピールが目立つ昨今の香川県。香川県の公式サイトとは別立てで運営されている「うどん県」公式サイトで、このプロジェクトのドキュメンタリーが取り上げられる日も来るのでしょうか。
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