不思議の国のアリスを代表するキャラクター「チェシャ猫」の名を冠した銀河群の存在が公表されました。
NASAが1999年に打ち上げたチャンドラX線観測衛星によって発見された銀河群の写真をNASAが公表しました。この銀河群に付けられたニックネームが「チェシャ猫銀河群」です。
可視光線での写真を見ると、2つの大きな目にニヤニヤ笑いの口、そして輪郭までもが見て取れます。「チェシャ猫銀河群」は2つの目に当たる巨大な銀河がそれぞれ銀河群を成しており、互いに時速50万kmで接近しつつあります。
この2つの銀河群がぶつかり、化石グループとして巨大な楕円銀河を作り上げる可能性も考えられていますが、それは10億年後くらいのこと。また、このチェシャ猫銀河群自体が化石グループである可能性もあるとされています。
また、チェシャ猫銀河群の口と輪郭に当たる4つの銀河の歪曲はアインシュタインが相対性理論で存在を予言した重力レンズによるもの。地球とチェシャ猫銀河群の間に存在する巨大質量(いわゆるダークマター)の存在によって背後の銀河の形が歪んで見えるというわけです。
また、チェシャ猫銀河群の顔の部分の紫色に見えるのは熱せられた水素の星間ガス。左目に存在が指摘される巨大ブラックホールの影響とされています。
猫に見えるような見えないような、でもニヤニヤ笑いには見えるというまさにチェシャ猫そのままの素敵な銀河群です。なお、2015年は一般相対性理論の発表から100年であり、不思議の国のアリスの出版から150年という節目の年。なんとも粋なNASAの計らいです。
The Cheshire Cat group of galaxies Science Wire EarthSky
The Cheshire Cat Galaxy Group, Where Alice In Wonderland Meets Einstein IFLScience
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