民放ラジオAM停波へ、TBS、文化放送、ニッポン放送も2028年にFM転換
「オールナイトニッポン」を筆頭に、AMラジオを青春のBGMとして成長してきた世代には寂しい話ですが、それ以上に防災インフラとして重要なAMラジオが終了するのは大きな問題と言えそうです。
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民放AMラジオ局が6月15日、オンラインで会見で2028年に現在のAMラジオを停波、一部を除いてFM局に転換すると発表したことを報知新聞が報じています。
それによると全国47のラジオ局はすでに総務省に対し、2028年の再免許時に向けてFMへの転換、FMとAMの併用、AMの停波を提言。総務省が20年秋に公表してFM転換が具体化しました。
TBS、文化放送、ニッポン放送の在京ラジオ3局を含む44局が28年秋のAM停波を目指し、28社が23年からAM停波への実証実験を開始します。ただし北海道と秋田の3局は賛同できず見送りとのこと。
広い地域に電波を飛ばせるAMラジオは災害に強く、被災時に停電しても利用できる貴重な情報源となってきました。
ただしその分AMラジオ送信局は巨大な土地と設備を必要とし、維持や更新に多額の費用が掛かることから今回の決定となりました。実際にTBSラジオの入江清彦会長は
・老朽化の進むAM送信所の更新が困難でAM放送が将来的に継続できない
・AMとFMの二重設備維持が各局の大きな負担になっている
の2点を理由として挙げています。
入江氏はラジオアプリ「Radiko」が広く利用されており、災害時にも有効だったとしていますが、基地局の被災やスマホの電池切れを考えるとAMラジオの信頼性には及びません。
AMラジオといえば殿堂入りのニッポン放送の「オールナイトニッポン」を筆頭に、90年代には「伊集院光のOh!デカナイト」やTBSの「岸谷五朗の東京RADIO CLUB」や「宮川賢の誰なんだお前は?!」などの伝説的な番組を多数輩出。ネット以前の輝かしくもアングラな若者文化の担い手でもありました。
時代は変わり、その懐かしさを置いておくとしても、災害列島として毎年多くの被災者を出すこの日本で果たしてAMラジオは削ってもいいコストなのか、非常に難しいところです。
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