au系格安SIM「mineo」「UQ mobile」がSIMフリースマホで苦戦、使えるはずのZenfone 2も利用不可に

携帯電話会社を気にすることなく利用できる「SIMフリー」のモデルが格安スマホ市場を賑わす中、au系格安SIM「mineo」「UQ mobile」が思わぬところで苦戦を強いられていることが明らかになりました。

「スマホ本体が周波数帯に対応しているはずのに利用できない」という、なかなか根の深い問題です。詳細は以下から。


◆周波数帯は対応、なのにau系回線で利用できないZenfone 2
まずチェックしてもらいたいのが、5月に発売された人気格安スマホの最新モデル「Zenfone 2」の対応周波数帯

なんと大手携帯3社がサービスを提供している2.1GHz帯(バンド1)のLTEだけでなく、実人口カバー率99%を達成したauの800MHz帯(バンド18)のLTEにも対応しており、au系格安SIMでも日本国内で快適な通信が利用できるようになるはずでした。

3G:W-CDMA 800(6)/850(5)/900(8)/1900(2) /2100(1)MHz
4G:FDD-LTE:2100MHz(1)/1900MHz(2)/1800MHz(3)/1700/2100MHz(4)/850MHz(5)/800MHz(6)/900MHz(8)/1700MHz(9)/800MHz(18)/800MHz(19)/700MHz(28)

にもかかわらず、ASUSの公式サイトでははっきりと「KDDIのSIMカードでLTEサービスをご使用いただけません」と記載。対応しているはずなのに利用できないとは、なんとも理不尽な話です。

◆問題は技適にあった
「使えるはずのスマホが使えない」という問題が発生しているau系格安SIM。

なんと「mineo」公式ユーザーサイト「マイネ王」自らが『「SIMフリー」スマホのほとんどがなぜmineoの動作確認端末一覧に載ってないの?』という、そのものズバリなタイトルで解説していました。

これがau系SIMでSIMフリースマホを使えない最も大きな理由。携帯3社が採用しているバンド1(2.1GHz)帯の上り周波数(1920MHz~1980MHz)はKDDI(au)が1920~1940MHz、NTTドコモが1940~1960MHz、ソフトバンクが1960~1980MHzを割り当てられていますが……

KDDIの帯域はPHSの周波数帯(~1915.7MHz)と近接。そのためSIMフリースマホが技術基準適合証明(技適)を取得する際、「PHSに干渉しないか」という項目をクリアしていないと、auの2.1GHz帯を利用してはいけないことに。つまりau回線ではなく、周波数割り当てに起因するものです。

なお、SIMフリー版iPhoneはPHSを考慮した技適を取得しているものの、iOS 8以降の問題でau系格安SIMを利用できず。mineoがドコモプラン提供に踏み切る背景には、このような事情があったわけです。

◆SIMフリースマホメーカーはau回線を考慮した技適取得を
以上がau系格安SIMでZenfone 2などのSIMフリースマホが使えない場合が多い理由ですが、やはり今後スマホメーカーに検討してもらいたいのが、au回線対応のため、PHSを考慮した技適を取得してもらうこと。

「回線の卸値が一番安いドコモ回線の格安SIMにさえ対応すればいい」という考え方も出来ますが、建物の中に強いプラチナバンドLTEで人口カバー率99%を達成するなど、au回線にも独自の強みはあります。

さらにいち早くau系格安SIMに対応したメーカーが、au回線を使いたい格安スマホユーザーの需要を総取りできることを考えても、そう悪い話ではないのではないでしょうか。

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