任天堂の岩田社長が退任に含み、背水の陣で「Wii U」「ニンテンドー3DS」拡販へ


営業利益を当初予想の200億円から200億円の営業損益へと修正するなど、苦戦が続く感のある任天堂の岩田社長が自身の進退についてコメントしました。



来期の営業利益1000億円はコミットメント=任天堂<7974.OS>社長 | Reuters

ロイター通信社の報道によると、任天堂の岩田社長は先日行われた2013年3月期第3四半期決算説明会において、来期の営業利益を1000億円以上にすることを「コミットメントだ」と述べたそうです。

これは1000億円を達成できなかった場合の責任問題を問われて答えたもので、コミットメントとは「果たすべき約束」を意味したビジネス用語であるため、達成できない場合は進退に関わることになります。あくまで為替の想定が変わらないことが前提条件ですが、ニンテンドー3DSとWii Uの拡販で達成を図るとしています。

2013年3月期 第3四半期決算説明会 決算概要説明

なお、2012年10月24日時点での業績予想と、2013年1月30日に修正された業績予想は以下の通り。営業利益こそは下がったものの当期純利益は60億円から140億円へと拡大。しかしながらハードウェア本体よりもソフトウェアの不振が大きく、ニンテンドー3DS向けは7000万本から5000万本、Wii U向けは2400万本から1600万本へと下方修正されており、苦戦していることが分かります。

◆通期
売上高:8100億円→6700億円
営業利益:200億円→△200億円
経常利益:100億円→200億円
当期純利益:60億円→140億円

◆通期の連結販売数量予想
ニンテンドーDS ハードウェア:250万台→230万台
ニンテンドーDS ソフトウェア:3700万本→3300万本
ニンテンドー3DS ハードウェア:1750万台→1500万台
ニンテンドー3DS ソフトウェア:7000万本→5000万本
Wii ハードウェア:500万台→400万台
Wii ソフトウェア:5050万本→5000万本
Wii U ハードウェア:550万台→400万台
Wii U ソフトウェア:2400万本→1600万本

文字通り背水の陣で臨むことになる岩田社長ですが、Wii Uには「ゼルダの伝説」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」といった強力なタイトルが控えているほか、ニンテンドー3DSにも完全新作の「ポケットモンスターXY」が10月発売予定であるなど、業績回復への筋道が見えつつあります。

なお、Wii Uもニンテンドー3DS同様、製造原価が販売価格を上回る「逆ざや」状態となっており、安易な値下げは業績に影響するため、普及に弾みを付ける手段としての値下げは当面無さそうです。

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