「円安でスマホ本体価格が高騰しているにもかかわらず、割引を規制する」
ユーザーの負担を増やし続ける歪んだ構図は、一体いつまで続くのでしょうか。詳細は以下の通り。
◆1円スマホ新規制の仕組みをおさらい
まず確認しておきたいのが、携帯各社が提供する「1円スマホ」の実態。
48回分割を組んでスマホを購入し「いつでもカエドキプログラム」「スマホトクするプログラム」「新トクするサポート」などに加入すると最大2年間月額1~3円程度でスマホを使える上、2年後に本体を買い取ってもらう形で返却すれば残債が免除される仕組みです。
買取額は定価の半額ないしそれ以上。中には残りの24ヶ月で本体代の大半を支払う場合もあります。
しかし今回、総務省はスマホの買取額を「中古市場に揃える」ことを要求。携帯各社は前述のような形で2年経過後に高額で買い取ることはできなくなります。
◆2年前、3年前のスマホの中古市場での買取価格は?
それではここで確認しておきたいのが「中古市場でのスマホ買い取り価格の相場」。
2年前に発売されたソフトバンク版iPhone 14とXperia 1 IV、AQUOS R7の本体価格と、イオシスでの買取価格(使用感はあるが目立つ傷はない状態)を比べるとこんな感じ。本体価格が5万円以上高いAndroidスマホが、買取価格でiPhoneに圧倒されています。
・iPhone 14
本体価格:14万400円
買取額:5万3000円
・Xperia 1 IV
本体価格:19万872円
買取額:4万5000円
・AQUOS R7
本体価格:18万9360円
買取額:3万8000円
今度は3年前に発売されたドコモ版iPhone 13とGalaxy S22を比較。こちらもiPhoneがGalaxyを余裕で下しています。
・iPhone 13
本体価格:11万1672円
買取額:4万4000円
・Galaxy S22
本体価格:12万7512円
買取額:3万3700円
◆iPhoneが圧倒的有利、Androidは不利になる新規制
iPhoneの買取額が圧倒的に高く、リセールバリューで太刀打ちできないAndroidスマホ。
携帯各社が中古スマホ市場と同じ価格でしか買い取れなくなるのであれば、ユーザーの評価軸に「リセールバリューの高さ」が新たに加わり、ただでさえ高いiPhone人気が不動のものとなります。
日本のスマホ市場をAppleに譲り渡すものと言っても過言ではない、総務省による新規制。
規制のたびに利益率の高いハイエンドモデルを中心に売れなくなり、スマホメーカーのシェアが縮んだ結果、気が付けば国内勢はソニーとシャープしか残っていませんが、今回の規制は確実にトドメを刺すものとなりそうです。
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