「発熱を理由に発売が延期された」と報じられていたGoogle最新スマホはどれだけ熱いのか、実際に試してみました。詳細は以下から。
◆Pixel 9a本体の処理能力をPixel 8aと比較
まずはPixel 9aのスペックをざっくりおさらい。
120Hz表示の6.3インチフルHD+(2424×1080)Actua有機ELディスプレイやTensor G4、4800万画素Quad PDメインカメラと1300万画素超広角カメラ、5100mAhバッテリーを備えたモデルです。
今回は前モデルにあたる「Pixel 8a(左)」と処理能力を比較。画面が大きくなり、より使いやすくなった廉価版です。
ディスプレイ:6.1→6.3インチ
プロセッサ:Tensor G3→G4
メインカメラ:6400→4800万画素
バッテリー:4492→5100mAh
お値段:7万2600円→7万9900円
・AnTuTu Benchmark(V10.4.8)
まずは定番ベンチマークソフト「AnTuTu Benchmark」のスコアを測定。Pixel 8aと比べて処理能力は7%しか向上していません。
Pixel 9a:1242214
Pixel 8a:1157817
一方でテスト後のCPU温度はPixel 9aが圧倒。熱に弱いバッテリーまで温度が上がってしまっています。
Pixel 9a:43.8度
Pixel 8a:37.5度
・Geekbench 6
続いては「Geekbench 6」のCPUテスト。マルチコア性能でPixel 8aがPixel 9aを上回る意外な結果になりました。
Pixel 9a:シングル1705、マルチ3968
Pixel 8a:シングル1657、マルチ4443
・3D Mark
ゲーム性能を試すべく「3D Mark」のWild Life Extremeで比較してみたところ。GPU性能は4%しか向上しておらず、ほぼ誤差の域です。
Pixel 9a:2654
Pixel 8a:2548
やはり気になるのが温度の違い。Pixel 9aが6度も上がったのに対して、8aは1度しか上がっていない衝撃の結果となりました。
Pixel 9a:26→32度
Pixel 8a:27→28度
◆かなり無理なチューニングを施していることが明らかに
最後に試したのが3D Mark Wild Life Extremeのストレステスト。20回連続で同じテストを繰り返すことで、長時間のゲームや動画撮影といった高負荷時の安定性を見極めるものです。
テストの様子はこんな感じ。滞りなく進んでいるように見えます。
テストの結果、Pixel 9aが高い処理能力を維持し続けられる(=安定性が高い)ことが明らかになりましたが……
Pixel 9a:82.1%
Pixel 8a:70.2%
バッテリーの消耗度(=消費電力)および本体温度でPixel 9aが8aを上回ってしまいました。どうやら発熱で処理能力が落ちるサーマルスロットリングが発動する温度を高めに設定してあるようです。
Pixel 9a:12%消費、20度上昇
Pixel 8a:10%消費、15度上昇
Pixel 8aからデザインを大きく刷新し、カメラ部分をフラットにしたPixel 9a。
事前報道にあった「カメラ周りが熱くなる」という内容は本当で、負荷をかけると分かりやすく発熱していた印象です。
高負荷で温度が上がっても処理能力を維持できる一方、バッテリーへの悪影響は回避できないPixel 9aのチューニング。
値上がりした割に処理能力がほとんど向上していないことを踏まえると「Pixel 8aのほうがバランスが良い」と考えざるを得ません。
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