auに続き、楽天モバイルでも衛星とスマホとの直接通信が可能になるようです。
何と最新スマホである必要すらなく、状況によっては楽天モバイル回線以外での使用まで想定されています。詳細は以下から。
◆楽天モバイル独占で高品質な衛星通信サービスを提供
都内某所で行われた楽天モバイルの発表会の様子をこの記事でお届けします。
ついに単体黒字化を達成し、体勢を整えつつある楽天モバイルの次なる一手が本日発表されました。
登壇した三木谷会長自らプレゼンが行われました。「楽天モバイルが参入したことで通信料金が下がったが、それだけでなく今までにないエポックメイキングなサービスもどんどん作りたい」と意気込みを語ります。
不可能を可能にするモバイルサービスを提供していきたいとする楽天モバイルが掲げるのは『通信業界のアポロ計画』。
今回発表されたサービスは楽天モバイルらしく「Rakuten 最強衛星サービス」と銘打たれました。
人口カバー率99%を達成しているものの、ローミングエリアを含むという但し書きがついてしまうのが楽天モバイルの現状ではあります。
今年4月4日から飛行機内のローミングサービスを開始していた楽天モバイルの次の一手となり、より多くの場所でモバイル通信を楽しめるようになります。
全キャリアの平均面積カバー率が70%にとどまる中、ブロードバンドにより100%を目指すという楽天モバイル。目指すはもちろん『最強』です。
その布石として、2020年という早い段階でAST SpaceMobileと技術協力の代わりに独占的な使用権を得るという戦略的提携を結んでいました。
AT&TやVodafone、Verizonなど総ユーザー数40億をも超える40社と世界中で契約を結んでいるAST SpaceMobileですが、中核に楽天モバイルが居るわけです。
2023年にはテキサス州ミッドランドで世界初の低軌道衛星と市販スマホの直接通信に成功し……
約半年前に低軌道衛星「BlueBird」全5機の打ち上げに成功していたAST SpaceMobile。
そしてついに、ユーザーへサービスが提供できる環境が整いはじめました。
国内独占でプラチナバンドの周波数帯を用いたAST SpaceMobileの衛星通信サービスを楽天モバイルが提供します。
通信衛星の大きさもかなりのもので、白いS社が6.2m2にとどまるところ、その36倍にあたる223m2の衛星を打ち上げ予定。これにより安定した衛星通信を可能にするとのことです。
ちなみにAST SpaceMobileの衛星はソーラーパネル、バッテリーなど使われる部品の50%は日本製です。
既存のプラチナバンド帯などを用いるためほぼすべてのスマホで使うことができ、動画視聴を含めた大容量通信にまで対応します。これはすごい。
北海道を例にしたシミュレーションはこんな感じ。ほかの3社のエリアがかなりまばらになっている中、楽天モバイルは堂々の100%を実現する見込みです。
もちろん離島や山岳部などのインフラを引きにくい場所や災害関係での活用、野生動物の生態調査まで活躍が見込まれます。
通信実験の様子や、衛星通信の概要を収めた動画はこちらで確認できます。
今まで繋がりにくいと言われ続けた楽天モバイル回線のターニングポイントとなることは間違いない衛星通信サービス。社会貢献の面から見てもかなり意義のあるものです。
楽天市場などを要する楽天グループでの幅広い活躍も見込まれます。
Rakuten 最強衛星サービスは来年第4四半期に国内サービス開始予定です。
最後の方で福島のスタッフと会場の三木谷会長がプラチナバンドを用いた衛星通信で実際に会話する様子も披露されており、確かな技術の元で成立しているのがわかります
追記:
実演時はプラチナバンドが使われましたが、サービス開始時にどの帯域を用いるかはまだ確定していないとのことです。
◆質疑応答
Q:
本格的なサービスインは楽天モバイルは2026年とのことだが、それより先に始まる会社はあるのか。
楽天モバイル:
タイミングの前後はよく分からないが、楽天モバイルが一番最初になればいいかなぁーと思っている。ただ、1番2番3番どれになってもそこまでズレはないと考える。
Q:
収益的なインパクトについてどう考えているか。また、楽天モバイルがこのようなサービスを行う事についてASTからのリターンは。
楽天モバイル:
出資金額は差し控えるが、楽天モバイルはAST株の15%を保有しており、立ち上げにかかわった会社として、優位性のあるサービスを受けられる契約になっている。
特に災害発生時の安否確認において法人の需要があるほか、IOT、政府関係まで非常に興味を向けていただいていると感じている。
Q:
災害時でも必ず繋がるという表現があったが、KDDIは空が見えればいつでも繋がるという言い方をしていた。そのあたりで差違はあるのか。
楽天モバイル:
衛星がデカいからパワーがある。他社と違いこのエリアだけ繋がる・繋げないというターゲティングができる。
Q:
プラチナバンドを使うという事だが、干渉については。
楽天モバイル:
同じソフトウェアやシステムを使うので、極めて少ないと確信している。
Q:
先日KDDIのスターリンクダイレクトを試したが、何分かに1回しか繋がらなかった。楽天モバイルでは常に繋がるという事でいいのか。
楽天モバイル:
常に繋がります。
Q:
料金について今の段階でどう考えているのか
楽天モバイル:
まだ悩んでいるのが正直なところ。ただ1つ申し上げたいのが、災害時は楽天モバイルユーザー以外も使えるようにしたい。
Q:
エリアや通信スペックについて念のため確認させてほしい。
楽天モバイル:
最初は遅延があったりエリアの制限などもあると思うが、今回発表したのは第1弾。今後第2弾、第3弾と改良を重ねて行きたい。たくさんのユーザーが増えた時には常時接続の必要のないメッセンジャーだけ定期接続にするなど工夫したい。
Q:
電波について、常にユーザーが衛星通信をつかんでいるのか。それとも地上のネットワークから外れた時のみなのか。
楽天モバイル:
基本的にユーザーのスマホが地上の回線に繋がるときは地上に繋がり、地上のモバイルネットワークから外れた時に衛星がカバーできればスムーズにハンドオーバーされる。
地上と同じ周波数帯域、システムが宇宙にあると考えてほしい。
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