現実とゲームが融合したスマホ用ARゲームとしてアメリカ合衆国などで先行公開された「ポケモンGO」が大変なことになっています。詳細は以下から。
◆全米を沸かす「ポケモンGO」とは?
7月7日にアメリカ合衆国、ニュージーランド、オーストラリアで世界に先駆けて公開された「ポケモンGO」。その名の通り任天堂の大人気シリーズ「ポケットモンスター」の新作ゲームなのですが、これまでのポケモンとは大きく違います。
その最も大きな違いはゲームと現実世界の融合したAR(拡張現実)ゲームであるということ。AndroidとiOSに対応し、スマホの位置情報を用いることで、現実世界の地図上に登場するポケモンをゲットできるというもの。ゲームの内容は以下動画をご参考に。
Discover Pokemon in the Real World with Pokemon GO! - YouTube
どこかで似たようなゲームを聞いたことがある…と思った方は大正解。「ポケモンGO」は位置情報を用いたARゲームとして世界中で1000万以上のダウンロードを誇る「Ingress」を制作したNiantic社が任天堂と君で制作しており、その経験が存分に活かされているのです。
「ポケモンGO」は任天堂やポケモン自体の知名度もあり、あっという間にGoogleプレイストアで全米のAndroidアプリの首位に躍り出ており、現時点で1日辺りのアクティブユーザー数はツイッターに匹敵するほど遊ばれています。
Niantic社はこの人気によるアクセス集中を理由にグローバル公開を一時見合わせる事態にまでなっています。
ですが、この「ポケモンGO」の人気をただ喜んでいるわけにはいきません。既に問題となる事例が複数発生しています。
◆武装強盗団に待ち伏せされる
ミズーリ州のセントルイスとセントチャールズでは16歳から18歳の銃で武装した強盗団が「ポケモンGO」のアイテムを用いて標的をおびき寄せていました。
強盗団はゲーム内でアイテムやポケモンをゲットできる「ポケストップ」にポケモンをおびき寄せるビーコンをショッピングセンターの駐車場に設置。このアイテムは他プレイヤーからも確認できるため、ポケモンをゲットしようとその場所にのこのこと現れた11人のプレイヤーが所持品を脅し取られるなどの被害に合っています。
これは悪意を持った集団がいれば(銃は別にしても)どこでも起こりそうな事件です。
'Pokemon Go' Led 11 Teens Right into an Armed Robbery Motherboard
◆川で人間の死体を発見
ワイオミング州に住む19歳のプレイヤー、Shayla Wigginsさんは水辺に生息するポケモンをゲットしようと近所のBig Wind Riverへと行きました。しかしそこでWigginsさんが発見したのはポケモンではなく水面に浮かぶ人間の死体だったのです。
衝撃を受けたWigginsさんは警察に通報。警察は死体は事故による溺死としてWigginsさんが事件には関係していないことを確認しました。
これは災難だったと言うしかありませんが、普段と違う場所を訪れることはいろいろな意味で普段と違う出来事に遭遇する可能性を上げることは間違いなさそう。
Pokemon Go player finds dead body in Wyoming river while searching for a Pokestop - BBC Newsbeat
◆自宅がポケストップに設定されてしまう
以前は教会だった建物に住んでいるデザイナーのBoon Sheridanさんは、ある日自宅が「ポケモンGO」でポケモンを戦わせるのジムに設定されていることに気付きます。ジムなどの施設は公共施設などに設定されることになっていますが、Niantic社は以前の地図情報から昔の教会だったこの家をジムに設定してしまったのです。
設定以降、毎日何十人ものプレイヤーが徒歩や自動車でSheridanさんの自宅前を訪れ、10分から20分滞在してジムでバトルを楽しんで去って行くようになりました。
Sheridanさんはアリの巣でも観察するように訪れる人々をじっくり観察してツイートしていますが、日本の街中では騒音やたむろ、違法駐車などの近所迷惑で苦情を出されることにもなりそうです。
These cats figured it out, the bench in the park across the street is close enough to be ‘in’ the gym. pic.twitter.com/HAlVp84cd6
— Boon Sheridan (@boonerang) 2016年7月9日
◆怪我人も発生
ニューヨークのロングアイランドに住む21歳のプレイヤーMike Schultzさんはスケートボードに乗ってポケモンをゲットしようと走っていたところ、転倒して怪我をしました。世界初の「ポケモンGO」関連の負傷者ということになります。
30分くらい前に面白いポケモンやアイテムを探そうとボードに乗って家を出たんだ。5分くらい歩道をゆっくり走ってて、段差にボードが引っかかって僕はスマホと一緒に投げ出されたんだ。スマホは放って両手で身体を支えようとしたんだけど、間に合わなくて顔も手も歩道にぶつけてしまったんだ。スマホも地面にぶつかってスクリーンがバキバキになっちゃったよ。
Does 'Pokemon GO' Have its First Game Related Injury - NowLoading.co
◆警察署内がポケストップに
こちらはオーストラリアのノーザンテリトリー、での話。州都ダーウィンの警察署がポケストップに設定されてしまい、ダーウィン警察はFBページでプレイヤーに向けて「モンスターボール欲しさに勝手に署に入り込まないように」と注意書きを出しています。
For those budding Pokemon Trainers out there using Pokemon Go - whilst the Darwin Police Station may feature as a...
Northern Territory Police, Fire and Emergency Servicesさんの投稿 2016年7月5日
個人宅とは別の意味で公的機関などがポケストップに設定されると立ち入り問題などが発生しそうです。
公表から4日程度でここまで問題が多発するのは人気のせいなのでしょうか?それともゲームシステムのせいなのでしょうか?任天堂株をストップ高にする程の大きな人気とインパクトのこのゲーム、今後公開される国が増えるに従って同様の問題は頻発しそうですが、対策が取られていくことになるのでしょうか?
任天堂が急騰、米国でポケモンGOの人気爆発で株価も売買代金も異彩放つ 個別株 - 株探ニュース
The week in Pokemon home invasions, armed robbery, police militarization Boing Boing
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