テレビ局にとって貴重な収益源であり、番組の最中に流れることでおなじみのテレビCM。
しかしCMに切り替わった途端に音が大きくなるなど、番組本編とCMとの間に音量の差があることが多く、「うるさいテレビCM」は特にテレビの音が近所迷惑になりがちな深夜などには困るわけですが、新たに導入される基準によって問題が解決することが明らかになりました。
詳細は以下から。
民放連「ラウドネス」のページ
日本のラジオ・テレビ放送事業者の業界団体「日本民間放送連盟(民放連)」の公式ページによると、今年7月に地上波およびBS放送が完全デジタル化されたことを受け、2012年10月1日から「テレビ放送における音声レベル運用規準」の運用が開始されるそうです。
この基準は「テレビ放送における音声は、視聴環境を考慮して制作すべきであり、視聴者に違和感や不快感を与えるものであってはならない」という観点のもと、テレビ番組が視聴者にとって適正で統一された音量・音質で制作・放送されることを目的としたもの。
基準は、音量レベルをあらわす数値「デシベル」に、さらに人間の聴覚特性を加味した「ラウドネス」という概念(単位LKFS)で示されており、番組全体を通じての平均ラウドネス値が一定の範囲であることが求められます。また「テレビ番組はサラウンド(5.1ch)でCMはステレオ(2ch)」といった場合でも、ラウドネスに差が少なくなるような措置を講じる必要があるとされています。
デジタル放送はアナログ放送よりもダイナミックレンジ(音声の最小値と最大値)を大きくとることができるようになったため、番組間の音量のばらつきが分かりやすくなったことが導入の背景として挙げられています。
見どころになるたびに「続きはCMの後で!」が繰り返される昨今、CMがうるさいとストレスが溜まりかねないわけですが、新たな基準が導入されることで快適に視聴できるようになることを期待したいものです。