日本人の苦手とする英語を始めとした外国語。でも2ヶ国語を話せるようになると、それだけ痴呆を防ぐことができるという研究結果が発表されました。
エジンバラ大学のThomas Bak博士によると、2ヶ国語の習得はこれまで治療で使われてきたどんな薬品よりも痴呆に対して効果がありそうだとのこと。
痴呆症と2か国語話者の最大の調査はインドのハイダラバードで650人の痴呆症患者に対して行われたもの。1000を超える言語や方言の存在するインドでは複数の言語を話す人が多く、英語が準公用語として広く使われていることもあり、ここでも60%が2ヶ国語話者でした。
この調査の中で、2か国語を話す人は平均して4.5年痴呆の始まる年齢が遅いことが分かりました。個別に見るとアルツハイマー症ではおよそ3年、前頭側頭型認知症では6年程度となっています。2か国語話者の痴呆の発症年齢の平均は65歳、そうでない患者は61歳でした。
なお、読み書きのできない2か国語話者でも同様の結果が見られたため、教育程度の問題ではないと研究者達は考えています。理由としては異なった発音、概念、文法構造などが脳を鍛えることとなり、その影響で痴呆になりにくくなるのではないかとのこと。
イギリスのアルツハイマー研究所のSimon Didley博士はこの発見に対して「脳を活性化させ続けることである種の『認知的予備力』とでも呼べるものを供給し、痴呆症の発症を押さえることに繋がるのではないか」としています。
結論付けるにはより広範な調査が必要とのことですが、外国語の習得に向けてよりモチベーションが上がることは間違いなさそうですね。
Being bilingual could slow down dementia and have a better effect that strong drugs Mail Online
文藝春秋
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