ソフトバンクの「ギガモンスター」発表を皮切りに、「スーパーデジラ」「ウルトラパック」として今までよりも圧倒的に容量が大きいデータ通信サービスを相次いで発表した携帯各社ですが、一体どこまで自由に使わせてもらえるのでしょうか。詳細は以下から。
◆まずは「速度制限」「通信の最適化」をおさらい
今回、携帯各社に問い合わせてみたのは、「大容量パック利用時に何らかの制限は導入されるのか」という部分。
・速度制限
規定のデータ容量を使い切ると月末まで128kbpsに制限されるものとは別に、「3日間に3GB」など、特定期間内に一定のデータ容量を転送した場合に、速度が制限されるというもの。
最も分かりやすいのは比較的最近まで「3日間で1GB」制限を厳密に適用していたソフトバンクで、制限時のau回線(左)とソフトバンク回線(右)を比べると、その差は顕著でした。
・通信の最適化
ネットワークの負荷を下げるために導入された仕組みで、動画や画像などをネットワーク側で不可逆的に圧縮してユーザーに配信するというもの。通信の最適化によって圧縮されたコンテンツを見れば分かるように、その性質上、ユーザーは常に劣化したコンテンツを視聴する羽目になるわけです。
◆携帯各社に速度制限の条件や通信の最適化実施状況について問い合わせてみた
まずは速度制限の状況。各社ともかつてより条件を緩めており、auのみ3日間で6GB制限を課すのみに。ただしauの場合、上記の動画を見ても分かるように、制限時もそれなりの速度が出るため、実用上の問題はありません。
NTTドコモ:もともとそのような条件は課していません。
KDDI:現在は「3日間で6GB」へと緩和しております。
ソフトバンク:現在はそのような条件を課していません。
続いては通信の最適化の導入状況。各社とも最適化をする場合があることについては変わりません。
NTTドコモ:「最適化をする場合がある」と案内しています。
KDDI:「最適化をする場合がある」と案内していますが、必ずしもかかるわけではなく、基地局の混雑状況によってスポット的にかかる場合があります。しかし「データチャージオプション」を契約中のお客様は対象外となるので、実態としてはほとんど(適用されるケースが)ありません。
ソフトバンク:これまでと変わらず、実施する場合があります。
しかしドコモおよびauは、ユーザーが任意に通信の最適化のオン・オフを申告できます。
NTTドコモ:お客さまの申告で解除できます。
KDDI:お客さまの申告で解除できます。
ソフトバンク:オンオフはできません。
コンテンツが圧縮されることでデータ通信量を削減できるため、「圧縮された分、通常よりもっと通信できるからお得」という考え方もできる通信の最適化。
しかしその一方で、推しアイドルの写真や好きな絵師のイラスト、出会い系アプリのアンロック画像(特定のユーザーに向けてのみ公開される写真)といった「是非保存しておきたいコンテンツ」まで圧縮(=劣化)してしまう問題点も抱えているため、これを機にニーズに合ったキャリアを選んでみるのもいいのではないでしょうか。
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