ロボットが自殺をしたと話題になっていますが、果たして真相はいかに?
ロボットには「人間に危害を加えない、前項に反しない限り人間の命令に従う、前2項に反しない限り自己を防衛する」というロボット三原則があり、自殺はできないはずでした。しかし、この度アメリカ合衆国でセキュリティロボットが自殺を思わせる行動に出たと話題になっています。
問題が発生したのはアメリカ合衆国ワシントンDCのとある複合オフィス施設。Knightscope社の作成した自律型セキュリティロボット「K5」が現地時間7月17日に敷地内の噴水への階段を転がり落ちて「入水自殺」したと報じられ、ツイッターなどを通じて世界中で話題になっています。
It's a fun day here at @gmmb. The super high-tech security robot at our office complex has had a mishap. pic.twitter.com/nhRshrJA9w
— Greg Pinelo (@gregpinelo) 2017年7月17日
It's ok security robot. It's a stressful job, we've all been there. pic.twitter.com/LQbnntbCRm
— ✨💖 Sparkle Ops 💖✨ (@SparkleOps) 2017年7月17日
Our D.C. office building got a security robot. It drowned itself.
— Bilal Farooqui (@bilalfarooqui) 2017年7月17日
We were promised flying cars, instead we got suicidal robots. pic.twitter.com/rGLTAWZMjn
K5は身長150cm、体重135kgの自律型のロボットで、時速5kmで移動が可能。360度の視野を持つカメラを搭載、高感度マイクロフォンに大気センサー、熱画像装置などのハイテク機器が詰め込まれており、1分間に1500台の自動車のナンバーをスキャンし、銃声などの特定の音声を感知、レーザー測距計とレーダー、カメラによって自律移動が制御されていました。
「これだけの最新の技術の粋を集めた自律型セキュリティロボットがまさか階段を踏み外すドジっ子なわけがない!」という理路により、世界中でロボットの自殺がまことしやかに囁かれているというわけです。
Knightscope社は現在原因は調査中としており、手塚治虫「火の鳥」のロビたのような自殺なのか、それともなんらかのミスによる事故なのか、はたまた「プルートゥ」のように何者かに破壊されたのかは現時点では判然としていません。
なお、K5は昨年にはカリフォルニア州のショッピングモールで16ヶ月の男の子に激突して転倒させた挙句に轢いてしまうという事故を起こしています。また、2017年の4月には駐車場を警備していたK5が酔っ払いに殴られて倒されるという事件も発生、犯人は警察に逮捕されています。
K5は極めて優秀で警備員として働く人間の職を奪う可能性があるため、今回はともかく今後ラッダイト運動のような反ロボットの動きが起きてくるかもしれません。いつかSFで見た未来の多くは既に現実問題となっていることに驚きを禁じ得ません。
A Security Robot Falls Into a Fountain. You’re No RoboCop, Says Internet. - The New York Times
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