「京都みなみ会館」が2018年3月末で閉館、来年秋の移転再開を目指す

現存する京都最古の映画館が閉館します。詳細は以下から。


京都で映画好きが映画を語る時に決して避けては通れない映画館、それがこの「京都みなみ会館」です。

1950年代に存在した「九条みなみ館」を前身とし、1964年に邦画の封切館として開館。当初はポルノ映画の上映館でしたが、1988年に巖本金属株式会社が買収して現在の名前に改名し、一般向けの作品を上映するようになります。

1993年からは映画上映会社RCSが番組プロデュースを手がけ、アート系の作品の上映が定着。それ以降ミニシアターブームに乗って京都の映画ファンの間に定着していきました。1スクリーンながら独自の特集上映やオールナイト上映などの企画も随時行われていました。

2010年からは京都みなみ会館の直営となりましたが、それまでの路線を踏襲。昨年はアレハンドロ・ホドロフスキーの新作「リアリティのダンス」がここで上映されており、明日12月2日からは最新作「エンドレス・ポエトリー」上映を目前に控え「アレハンドロ・ホドロフスキー特集」が組まれており、「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」「サンタ・サングレ」等が上映されます。

また、今年の1月には「この世界の片隅に」の片渕須直監督の以前の3作品をオールナイトで上映。あっという間に前売りチケットが完売する事態となっていました。

風格すら感じるレトロな建物と館内の雰囲気とエッジの効いた作品や特集のチョイスは現役で京都の映画シーンの重鎮たる面影を感じさせますが、建物の老朽化には勝てず、2018年3月末で閉館が決まりました。建物も取り壊しとなる見込みです。

京都みなみ会館としては2018年秋を目処に近隣での移転再開を目指しているとのこと。公式サイトFacebookページにお知らせの文章が掲載されています。

京都のミニシアターといえば、今年の7月で木屋町通の立誠シネマも閉館となり、出町柳の出町桝方商店街に移転が決まりました。この際はクラウドファンディングで多くの賛同者が資金協力を行いましたが、「京都みなみ会館」も移転に関して力になりたいと願う映画ファンも多いはず。

無事に移転先が決まり、また京都の映画シーンを盛り上げてくれることを切に願います。

京都現存最古の映画館閉館へ みなみ会館、移転再開目指す _ 京都新聞

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