いよいよお披露目されたSamsungのフラッグシップスマホ「Galaxy S25 Ultra」。
『次世代のAIフォン』と呼んでも過言ではないほど機能面が大きく進化していますが、一方で非常に残念と言わざるを得ない点があることをGalaxy S23 Ultraユーザーの筆者が忖度一切なしで解説します。詳細は以下から。
◆カメラがほとんど変わらない
今回一番残念だと感じたのがカメラ周り。超広角カメラが1200万画素から5000万画素へとアップデートされた以外、Galaxy S24 Ultraと同じです。
2世代前となる筆者のGalaxy S23 Ultraと比べても以下の2点しか変わりません。なお、メインカメラは2億画素のままで、3倍望遠カメラに至ってはS21 Ultra以来変わらない1000万画素です。
・Galaxy S23 Ultraのカメラとの違い
1.超広角が1200万画素から5000万画素に
2.10倍望遠(1000万画素)が5倍(5000万画素)に
今まで以上に暗いところでも明るく撮れるソニーの次世代センサー「2層トランジスタ画素積層型CMOS」を採用したiPhoneなどに画質面で圧倒される中、メインカメラが型落ちのまま……というのは、選ぶにあたってかなり躊躇させられます。
AIを駆使した画像処理を行うにしても、もともとセンサーサイズが小さくて暗いところに弱く、解像度も1000万画素しかない3倍ズームカメラでは「暗いところでも高精細でキレイな撮影体験」は難しいと考えざるを得ません。
あくまで個人的な感想でしかありませんが、スマホのカメラで頻繁に使うのがメインおよび3倍までのズームで、最も使わないのがパースが利きすぎた写真になる超広角である筆者にとっては、今回のアップデートはほとんど刺さらないのが実情です。
◆バッテリー容量も充電速度もそのまま
続いて残念に感じたのが、バッテリー容量や充電速度。なんとGalaxy S21 Ultraと同じ「5000mAh/最大45W」がGalaxy S25 Ultraでも続投です。
積層構造の採用や材料の見直しなどバッテリー面の技術革新が進み、格安スマホすら7000mAh台への超大容量化を目指す中国勢と比べて見劣りしてしまいます。
唯一良かったと思うのがOne UI 7でバッテリー保護時の最大容量を80%以上に設定できるようになったこと。劣化を防ぐためとはいえ、もともと取り立てて大きいわけでもない容量をさらに節約して使うのは少しストレスでした。
◆Snapdragon 8 Eliteの高騰も背景に
「諸般の事情」でSペンからBluetooth機能が削除されリモート撮影もできなくなるなど、ところどころにコストカットの痕跡がみられるGalaxy S25 Ultraの仕様。
自社開発の「Exynos 2500」搭載が見送られ、初のクアルコム独自コア採用で高騰が続くSnapdragon 8 Eliteへと一本化されたことで、製造コストが跳ね上がったことが背景にあると考えられます。
◆AI体験次第で評価が大きく変わるGalaxy S25 Ultra
ハードウェアがあまり変わらないことを理由に厳しめの評価を下している筆者。これはスマホにおいてカメラを最重視しているためで、あくまで一般の評価とは視点が異なる可能性があることに注意が必要です。
なお、Galaxy S25 Ultraに搭載されている「Galaxy AI」は従来のコマンド型でなく対話型、しかも自律的に動作してユーザーに最適な操作などを提示したり、アプリ間を連携させられるという画期的なもの。
ユーザーのライフスタイルすら大きく変える勢いでソフトウェア面が飛躍的に進化しているため、ハードウェア面だけで食わず嫌いはせず、とりあえず店頭で体験してみることをオススメします。
撮影体験を重視するユーザーに目玉となる「オーディオ消しゴム」も実装。動画からノイズを除去して話し声を聞こえやすくしてくれる、非常に便利な機能です。
・関連記事
「Galaxy S25」関連記事まとめ、レビューもダメ出しも一挙掲載中 | Buzzap!
【超速報】「Galaxy S25 Ultra」速攻レビュー、最強プロセッサと多彩なAIや夜景に強いカメラを薄型軽量高耐久ボディに詰め込んでカラバリも豊富に | Buzzap!
Galaxy S25「次世代AI」レビュー、初の自律型でユーザーに寄り添った提案やアプリ間連携、動画のノイズが消える『オーディオ消しゴム』などでiPhoneとの差明確に | Buzzap!
「Galaxy S25」レビュー、最高性能のプロセッサ搭載で小型薄型軽量の女性でも使いやすい最新AIスマホに | Buzzap!