独自開発のOryonコアを搭載した上に、TSMC最先端の3nmプロセスで製造されたことで、類を見ないレベルに高騰してしまったSnapdragon 8 Elite。
もはやスマホの本体価格に悪影響を及ぼす域にまで達しているわけですが、クアルコムが新しい取り組みを導入するようです。詳細は以下から。
◆Snapdragon 8 Elite 2は2モデル展開に
未発表の最新スマホやプロセッサ事情に詳しいDigital Chat Station(DCS)氏によると、クアルコムが今年から新たな手法を導入するそうです。
これは下半期にSnapdragon 8 Elite 2およびその廉価版とみられる「SM8850」「SM8845」の2モデルを同時にリリースするというもの。
クアルコムが最上位プロセッサおよびそのバリエーションを同じタイミングで展開するのは、非常に珍しい事態です。
なお、同社は今年に入って製造時に大型コアが1つまともに駆動しなかった「選別落ち品」とみられる7コア版Snapdragon 8 Eliteをラインナップに追加。仕様こそ違うものの名前が同じであるため、ややこしいことになっていました。
そのためSM8845は従来展開されてきた「8s」「8+」などではなく、選別落ち品に新たな名前を付けた廉価版となる可能性が考えられます。
◆iPhoneとAndroidスマホが同じタイミングで最先端プロセス採用へ
また、非常に興味深いのが2026年にiPhone 18が搭載する「Apple A20」および「Snapdragon 8 Elite 3」がいずれもTSMCの2nmプロセスで製造されるとしている点。
TSMCの世界最先端プロセスはまずAppleが独占し、1年遅れでSnapdragonやDimensityにもたらされるというのが通例でしたが、ついにiPhoneとAndroidスマホが本当の意味で並ぶことになります。
引き続き「SM8950」「SM8945」の2モデル展開になるとされているSnapdragon 8 Elite 3。
高騰するプロセッサの製造コストを選別落ち品の有効活用で引き下げるのは、スマホメーカーにとっても消費者にとっても良い選択肢ではないでしょうか。
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