「国家機関が一企業の製品をクラックする」という事態になっています。詳細は以下から。
海外メディアの報道によると、中国はiPhoneのファイル共有機能「AirDrop」でメッセージを送信したユーザーを特定することに成功したそうです。
これは北京市司法局の発表により明らかになったもの。
中国では2022年に、国内のiPhoneユーザーがAirDropが使って検閲ポリシーを回避しながら習近平国家主席を批判するポスターを配布するという事件が発生。TLSと呼ばれる暗号化通信が使われているため、匿名性が高く追跡が難しいとされていました。
しかし、公安当局の指示により政府の技術チームがiPhoneを分析し、暗号化されたログを元のテキストに変換することで送信者の電話番号やメールアカウントを割り出すことができたとのこと。
同機関は、AirDropを悪用して違法な画像や動画、音声等のファイルを混雑した場所で広める事件を防ぐことができるとしています。
最近では中国政府が政府機関や複数の国営企業に「外国製スマホ持ち込み禁止」と指示したと報じられるなど、今後も海外製品に対する圧力が強まると考えられる中で行われた今回の発表。
暗号化で保護されているAirDropを解析することはプライバシーの侵害や言論弾圧につながりかねず、物議を醸すことになりそうですが、それ以上にAppleの収益の5分の1を占める中国での売り上げにも深刻な影響を及ぼしそうです。
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