NVIDIAが「Tegra 4」に続いて「Tegra 4i」プロセッサを発表しました。
ワンチップでスマートフォンに必要な機能をすべて実現しており、幅広い通信形式をサポートすることで対応モデルを短期間で投入可能となっています。
NVIDIAのプレスリリースによると、同社は新たに「Project Grey」というコードネームで開発されていた「Tegra 4iプロセッサ」を開発したそうです。
Tegra 4iプロセッサはARM社の「Cortex-A9」をベースとした2.3GHz駆動のクアッドコアとバッテリセーブ型コアを組み合わせたCPUとTegra 3の6倍にあたる60のNVIDIA GPUコアで構成されたモデル。CPU部分については「市場に提供されている中で最も効率とパフォーマンスが高い」とされています。
また、従来のプロセッサはモデムを別途搭載する必要がありましたが、Tegra 4iには新しい周波数と通信インタフェースを無線通信でプログラムし直すことができ、ネットワーク機能のアップグレードやスケールアップを簡単に行える新開発のLTE対応モデム「NVIDIA i500」を統合。最適化が施されたことで消費電力も低く、シングルチップでスマートフォンの主な機能すべてを実現しています。
そしてTegra 4シリーズには新たに以下のような世界初の機能を実現した「Chimera」と呼ばれるアーキテクチャが導入されることも明かされています。
・HDR(ハイダイナミックレンジ)の写真および動画を常時ONにした状態で撮影
さまざまな場所やシーン、ライティング条件において、人間の目に見えている世界がほぼ再現されるHDR画像をさっと撮影可能。
・「魚眼」クラスの広角写真が撮れる「HDRパノラマ写真」対応
あらかじめ決められた順番に沿う必要無く、カメラを左右や上下、あるいは対角に動かしながらパノラマの範囲を「塗る」ように、さまざまなアングルからユーザーが望む順番で写真を撮影可能。
・パーシスタント・タップ・トゥー・トラック・テクノロジ
プレビュー画面に映った被写体にタッチで焦点を合わせると、被写体やカメラが動いても焦点を合わせ続け、撮影対象や背景が露出不足や露出過多にならないように露出も調整できる機能
「Tegra 4」と「Tegra 4i」の性能比較はこんな感じ。なお、NVIDIAが発表したレファレンス・スマートフォン・プラットフォーム「Phoenix」をベースに設計すれば、メーカー各社はTegra 4i搭載スマートフォンを短期間で市場に投入可能です。
・CPU
Tegra 4:クアッドコアCortex-A15(1.9GHz)+バッテリセーブ型コア
Tegra 4i:クアッドコアCortex A9 r4(2.3GHz)+バッテリセーブ型コア
・GPU
Tegra 4:NVIDIA GPU 72コア
Tegra 4i:NVIDIA GPU 60コア
・LTE
Tegra 4:別途モデムが必要
Tegra 4i:NVIDIA i500統合
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