「VoLTE時代の新プラン」にツッコミも、ソフトバンクが2014年3月期第3四半期の決算説明会実施


ソフトバンクが2014年3月期第3四半期の決算説明会を実施しています。詳細は以下から。

1994年の上場から20年を迎えるソフトバンクの成長が紹介されています。

すべての指標でNTTドコモ、KDDIを抜いたとしています。

NTTドコモが参入してもiPhone販売シェアが1位に。純増数は6年連続1位で、スプリント買収で契約数が1億に。

ARPUは順調に推移。ただしソフトバンクは「あんしん保証パック」を含めています。

ボーダフォン買収でもモバイルの危機を克服

さらにAndroidスマートフォンの新規販売シェアも1位に。これは同じソフトバンクグループのイー・モバイル、ウィルコムを含めたもの。

ブロードバンドの主流がLTEになる中、新たに新定額サービスを導入。あくまでVoLTEではありませんが、「新しい時代の料金体系」と銘打っています。

ソフトバンクのiPhoneを契約しているのは21万社超。iPadは10万社超。日本の法人顧客数(スマホ)で1位に。

Googleの法人向けサービス「Google Apps for Business」でも世界最大のパートナーがソフトバンクに。アプリケーションを含めたトータルソリューションを提供しています。

O2O市場でも「ウルトラ集客」と銘打ったサービスを展開。花王向けに2週間で7万人の集客を行いました。

チラシなどを使った集客よりもリーズナブルです。

イオンとの提携も実施中。個人のマーケットだけでなく法人のマーケットも対象に、日々ビジネスモデルを進化させています。

そしてネットワークの状況。(プラチナバンド対応)スマートフォンの通話接続率で1位に。1度も抜かれることなく、どんどん差を広げているとしています。

パケット接続率もソフトバンクが1位に。どこでも800MHzをうたうauについて「完全に抜きました」とコメント。しかし今auがアピールしている「800MHz」はLTEの話で、ソフトバンクはプラチナバンドを用いたLTEを展開していません。

設備投資を前倒しへ

インターネット事業はヤフーが最高益を更新。

「eコマース革命」により、ストア数が楽天を抜きました。取扱高も一気に好転。

オンラインショップ市場でアメリカを抜いた中国。ソフトバンクグループのアリババが1日で5600億円を売り上げ。

Amazon.comを抜く純利益を獲得

また、ソフトバンクモバイル子会社となったガンホーが順調に業績を伸ばしています。

ガンホー、スーパーセルがGoogle Play、App Storeで好調。

中国最大級のモバイルアプリケーションストアの筆頭株主になることが初公開。

中国ではAndroidが売り上げの88%です。

なんとアプリ配信プラットフォームはGoogleではなく、独立系が大半を占めています。

3億人を占める一大プラットフォームに。

スプリント事業は業績が反転。日本テレコムやウィルコムなどの成功体験を元に、反転を加速させる方針です。

呼損率や通信速度も改善

世界各国にスマートフォン・周辺機器を販売し、中古携帯の下取りを行っているブライトスターの買収も完了。

連結予想。2539億円の一時益を含む営業利益1兆円を達成する予定。2014年度はさらに伸びる予想です。

・質疑応答
朝日新聞大鹿:
電力小売についてどう考えるのか。インターネット事業との統合は?Yahooはもっと早く展開できなかったのか。

孫正義:
あくまでも本業は情報革命。情報通信という意味でのインターネットが本業中の本業。国民の多くが電力というものに対して苦しみや悩みを抱えているため、解決の事例を示せるよう取り組んでいる。

少なくとも太陽光発電については日本で最大事業者になったのでは無いかと思う。風力についても手を打っている。ガスを使ったクリーンエネルギーについてもテストランを開始したところ。電力の小売はまず法人の大口顧客が対象。

Yahooの件についてはもう少し早くできなかったのかと言われれば、そうかもしれないと反省している。若い経営陣が改革を進めてくれているため、頼もしく思っている。

?:
4月にはウィルコムとイーモバの合併、10月にはPHSとのMNP、AXGPの増速なども控えていると思うが、どう考えているのか。T-Mobileは?ゲームは?

孫:
今までは料金体系、iPhoneで差別化。これからネットワークを一番の強みにする。一番の弱みであったことが一番の強みになる。世界をベースにした「規模の経済」で端末調達をする。

今までは弱者の立場だったが、これからは1億人の契約者を背景にした強者の立場でオーソドックスに進めていく。曲芸のような無理をせずに、着実に一歩一歩利益を伸ばしていけるというのが、我々の置かれた新しい立場、

スプリントとT-Mobileについては今の時点でコメントをする立場にない。1つだけ言えるのはアメリカが決して競争状態が世界の国々に比べて激しい状態にない。上位2社が寡占状態をエンジョイしている。これだけは事実。ゲームは順調に伸びている。投資して良かった。先のことはコメントしないが、常に色々なことは考えている。

フリーランス石野:
新しい料金プラン、競合2社は「あれは高い」「わかりづらい」として追随する気配が無いが、改定案は出したりしない?

孫:
これほど分かりやすいプランは無い。1000回まで話し放題は明瞭会計。1回で5分以上しゃべるというケースはウィルコムで展開している「だれとでも定額」でも少ない。何度もかけなおせばいい。恋人同士がつなぎっぱなしで側にいるだけでうれしい……という使い方は不公平なため、5分という区切りを設けている。

VoLTEの時代には「話し放題」という体系が標準になると考えている。ソフトバンクはキャリア間通話無料や学割などを一番最初に展開してきたが、他社が今までのように追従するかどうかは考えていない。

フリー石川:
VoLTEを始める気はあるのか。NTTとドコモのセット割についてはどう考えてる?ドコモの支配力については?

孫:
VoLTEは近い将来考えている。NTTは固定の光などで70%の支配力を持っている。もともと国家資本で作った会社。民業を圧迫する形で生まれている独占企業が市場支配しているという状況。アンバンドルをもっと徹底的に進めるべきだというのが「光の道」の考え方だった。

3年後に検証することを条件に我々の主張は総務省で退けられたが、委員の方々の主張は結果が外れた。外れた責任を反省していれば、3年間の光ファイバーの普及に対するブランクを生まなかった。支配力を持ったままの会社がセット割をすることになると、他の会社は不利な状況で競争をしなければならない。世界中でみられないことだと認識している。断固として反対。

ドコモと我々が等しく競争するのはいいのではないか。しかし光ファイバーについては徹底開放してからセット割のテーマを上げるべき。

朝日新聞タカシゲ:
Androidと法人市場でも1位ということだが、なぜ選ばれた?法人に冠して1位になったのは?足元でフィーチャーフォンからスマホへの乗り換えが鈍っているのではないかというコメントがありましたが、この点については。VoLTE時代のプランが高いのではないかという話が出ているが、価格破壊で筋道を作ることはなくなる?

孫:
Androidと法人は地道な努力をたくさんしている。結果が出るまでは大きなことを言うのはやめておこうと思っていた。結果がこのような形で出たので、初めてコメントをした。日本は世界で最もiPhone普及率が高い国。Android自体が伸びていないので誇る話ではないが、ソフトバンクはiPhone一辺倒では無いかという話があるため、初めて明らかにした。Google Appsなどのソリューションを交えて法人のスマホ事業を開拓したのは自分たちであるという自負がある。

スマホ普及が最も進んでいるソフトバンクであるだけに、他社がフィーチャーフォンからスマホへの乗り換えが進んでいない状況は商機であるととらえている。新プランは多く通話するユーザーにとって、間違いなく値下げになる。あまりしゃべらないお客さんにとっては意味が無いかもしれないが従来のプランも平行して提供している。刺激的なものを打ち出していきたい。

ジャパンタイムス永田:
スプリントは1年くらいかけて営業ノウハウを移植するという話だったが、進捗状況は?どれくらいの社員が直接かかわっているのか。

孫:
毎月フェイストゥフェイスで30名くらいで会議を行っている。色々なノウハウを共有するための社員が張りつくなど、交流している。日米の文化の違いはさほど感じていない。一歩ずつステップを踏んで行っているので、徐々に改善していく。

ケータイWatch太田:
話し放題プランはアメリカでは当たり前ということだが、日本にプランを輸入することは今後もあるのか。

孫:
両方の市場をよくにらみながら良いものだけを取り込んでいきたい。一方向ではなく双方向、フレキシブルに考えていきたい。他流試合というのはいいことだと思っている。

週刊ダイヤモンドコジマ:
端末の販売数が対前年度でマイナスとなっているが、今後鈍化すると考えているのか。

孫:
スマホが出てきてすぐというのは物珍しさで買いかえサイクルが早まるのはよくあることで、KDDIがiPhone販売に参入したことで、スマホ販売を加速させた部分もある。最近はスマホ性能向上による横並び化でスマートフォンの保有月数が伸びているが、これは経営にとってはプラス。より安定的に収益を上げやすい。スマホはまだ伸びると考えている。

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