世の中には不思議な楽器はたくさんありますが、これは音楽を自動演奏するレーザー光。二次元に描かれた模様に反応して音を奏でる仕組みですが、いつの間にか進化して不思議な声で歌う生命体になっています。
2009年のデジタルコンテンツEXPOで東京大学のアロバロ・カシネリ教授が「レーザー共感覚装置」という不思議な名前で発表した音を奏でる光がこの「スコアライト」。基本的な原理はCD-ROMの読取装置と同じで、巨大化して二次元平面にある模様やコントラストを読み込んで音を鳴らします。
「scoreLight」レーザーによる人工共感覚装置 DigInfo - YouTube
学生たちが実際に触っているところ。なんだか楽しそうです。
scoreLight collaborative play - YouTube
これをさらにヴァージョンアップさせたのが最新型の「ダンシング・マウス(dancing mouth)」と呼ばれる輪っか型のスコアライトです。
前作と違うのは形だけではなく、このダンシング・マウスは「触られる」ことを感じることができます。触られた場所によって、触った相手にくっついたり逆に離れたりするということ。その計算式は厳密なものではないため、くっついたり離れたりする動きはかなり気まぐれなものとなり、不思議な生き物感が増しています。
音に関しては、このダンシング・マウスの輪っかの形は、名前の通り口になぞらえることができます。人間が口の明け方で発音を変えるように、輪が丸くなったり潰れたりするごとに音が変わってゆきます。実験段階のこのちょっと不思議な声を作者たちはモンゴルのホーメイ(喉歌)のようだと言っていますが、あなたにはどう聞こえるでしょうか?
scoreLight tests - Ver.2 the dancing mouth - YouTube
せっかくなら猫の鳴き声やミクさんの声でやってほしいところではありますが、それには次なる実験を待つ必要がありそう。カシネリ教授は音楽家や画家とのコラボレーションもできるようにしたいと述べているので、この先どうなるか楽しみなところです。
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