電話番号そのままで携帯会社を乗り換えられる「MNP(モバイルナンバーポータビリティ)」利用者向けに、携帯各社が行っている大幅優遇が3月16日で終了すると携帯電話販売店が明かしたことを先週BUZZAPでお伝えしましたが、さっそく実態を調査してみました。
◆一括0円とキャッシュバックに沸いた3月16日
まずは首都圏にある家電量販店の3月16日(日)当時の様子。携帯電話コーナーのauブースでは、iPhone 5s本体が一括0円でさらにキャッシュバックが行われる旨をデカデカと掲示。右隣のドコモブースでも「1台で7万円、2台なら14万円還元」といった景気のいい数字が見られます。
ソフトバンクコーナー。こちらもiPhone 5sが本体一括0円に加え、「学割適用で4台MNPすれば18万9000ポイント還元」という大盤振る舞いっぷりです。
◆次の週末をチェックしてみた
そして3連休の初日となる3月21日(金)に同じ量販店を訪れた際の様子。auコーナーに垂れ下がっていた景気のいい数字が見当たりません。
ソフトバンクでも同じことに。スタッフに問い合わせてみたところ、MNP利用の場合、本体価格から5万円程度を引くだけで、追加のキャッシュバックは行われないとのこと。ちなみにソフトバンク版iPhone 5sの本体価格は6万8040円であるため、本体一括0円にすらなりません。
なお、唯一ドコモだけが「iPhone 5s一括0円」を提供していましたが、先週の「3台MNPで24万円還元」という数字を見てしまっただけに、見劣りする感が否めません。
◆デマじゃなかった「3月16日終了説」
「3月16日でMNP大幅優遇が終わる」という情報について、一部でデマだと見る向きもありましたが、フタを開けてみると落差の激しさに驚かされました。
「学割」で家族丸ごとMNPさせることを狙う携帯電話会社にとって、家族連れでにぎわう量販店はおそらく最も力を入れたい販売ルート。しかしその量販店でここまであからさまな差が生まれた以上、優遇施策の見直しがあったと考えざるを得ないのではないでしょうか。
なお、普段からキャッシュバックを売りにしている携帯電話販売店などでは、キャッシュバックの提供自体は続いているものの、その額が変化。3月16日でMNP大幅優遇が終わることを告知し、今回の騒動の震源地となった「テルル」のTwitterでも顕著です。
こちらは2月末時点でのMNP向けキャンペーン。au版iPhone 5sを学割適用で3台MNPすると12万円の現金キャッシュバックに加えて、1万5000円の商品券までもらえましたが……
3月16日以降は、3月18日限定で「3台MNPすると7万5000円キャッシュバック」を打ち出したのみ。あとは一部の不人気機種にキャッシュバックを付けて投げ売るケースがみられるだけで、3連休に差し掛かってもiPhone 5sの特売は告知されていません。
同じ端末・同じサービス内容にもかかわらず、MNP利用時と機種変更時の月額料金(本体代込み)の差は実に2倍以上もあるなど、不公平極まっていた感のあるMNPの大幅優遇。
2年ごとに携帯電話会社を切り替え続けるのが最もお得で、高額な月額料金・高額な本体代金を支払う長期契約者がバカを見るという現状は決して健全ではないと思われますが、携帯各社はMNP大幅優遇を見直した後、どのような施策を導入するつもりなのでしょうか。
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