日本のロックバンド、ゴダイゴは1980年にネパールで同国初のロックコンサートを開催しました。詳細は以下から。
2015年4月25日にネパールで発生したマグニチュード7.8の大地震。7803人が命を落とし、全国の建物の1割が被害を受けるという激甚災害でしたが、その際被災者支援をいち早く申し出たのが日本のロックバンド、ゴダイゴでした。
ゴダイゴは1975年のデビュー当時から「ガンダーラ」「モンキー・マジック」「ビューティフル・ネーム」「銀河鉄道999」など、2015年の今聴いてもまったく色あせない楽曲を世に送り出してきた稀代のメロディ・メーカーである日本のバンド。1985年の解散を経て復活し、今も現役で活躍しています。
そんなゴダイゴとネパールには深い繋がりがあります。それは1980年、彼らは「ゴダイゴ・オン・シルクロード」というドキュメンタリー映画の制作のためにシルクロードへの旅を行い、2月7日にネパールの首都カトマンドゥの王立競技場で同国初となるロックコンサートを開催したのです。
オープンエアの王立競技場には当時のカトマンドゥの人口の1/3に当たる6万人が詰めかけ、コンサートに安定して電力を供給するために市内の役所や銀行は休業になり、軍隊も出動。ゴダイゴは「ガンダーラ」「カトマンドゥ」といったゆかりの曲に加え「ビューティフル・ネーム」をネパール語で歌うなどしています。
しかし結局映画は制作されず、国内初のレーザーディスク(LD)プレイヤー「Pioneer LD-1000」の70タイトルのソフトとして「ゴダイゴ・オン・シルクロード トルコ&イラン編」「ゴダイゴ・オン・シルクロード インド&ネパール編」の2編に分けて1981年10月9日に発売されました。
その中のネパール語版「ビューティフル・ネーム」の映像がYouTubeにアップされています。野外ロックフェスティバルに慣れた現代日本人の目から見ても、まさに衝撃映像です。
こちらのYouTube動画は帰国後のゴダイゴのテレビ番組での「ガンダーラ」の演奏ですが、バックにネパールでのコンサートの映像が流され、字幕での説明が入ります。古いビデオテープからのアップのため画像と音声が一部乱れていますがそれもまた味です。
この映像がなぜ「超貴重」なのかというと、現在では「ゴダイゴ・オン・シルクロード」が極めて入手困難なため。LDというレガシーメディアであることはもちろん、最初期のラインナップであるため版としての品質が安定していないことから、再生可能な状態で現存している版も非常に少ないと言われています。
また、2011年にゴダイゴ結成35周年を記念して発売されたDVD8枚組の「Godiego Collectors’ DVD BOX」にもこれらの映像は収録されておらず、リンク先のAmazonカスタマーレビューには未収録を嘆く声が並んでいます。
1980年当時は日本のバンドが海外公演を行うこともまだ非常に珍しく、しかもネパール初のロックコンサートということで、これらの映像は貴重な歴史的資料でもあります。そしてゴダイゴのタケカワユキヒデも海外メディアのインタビューの中で以下のように答えています。
-ゴダイゴでの歴史の中で最高の思い出は何ですか?
ああ、1980年のネパールでのコンサートだね。あの当時ゴダイゴは世界最高のバンドのひとつだったと思ってる。私達の開催したコンサートはネパールで初めてのものだったんだけど、6万人が見に来てくれた。そこにいた人達は誰もそれまでロックやポップスを聴いたことがなかったんだけど、コンサート中ずっと大盛り上がりだったよ。
(J-Pop World - Yukihide Takekawa Interviewより引用・拙訳)
そんな最高なコンサートの映像、ぜひとも何らかの形で再販されることを願ってやみません。
ゴダイゴ GODIEGO OFFICIAL WEBSITE
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