バッテリー劣化問題完全解決へ、20万回以上充電しても劣化しないバッテリーが「発見」される

Photo by Takashi Hososhima

誰もが悩むスマホやPCのバッテリー劣化問題。これを一気に解決しそうな大発見がなされました。詳細は以下から。

毎日使うスマホやPC、タブレットなどを動かしているバッテリー。充電を繰り返すうちに少しずつ劣化し、使える時間が短くなっていくのは誰しもが経験している悩みではないでしょうか?そんなバッテリーの問題を一気に解決してくれそうな大発見が偶然なされて話題になっています。

この発見が行われたのはカリフォルニア大学アーバイン校。研究者らは現在の可燃性や温度への敏感性などの問題を持つリチウム電池に変わる新しいバッテリーを開発しようとしていました。そんな中で彼らが蓄電用の素材として目を付けたのは金ナノワイヤでした。

金ナノワイヤは髪の毛よりもはるかに細いため、電子伝達が行われるための広大な表面積を確保できます。しかし、壊れやすく何度も充電を繰り返すには向いていませんでした。

そんな中で研究者らは細菌の直径ほどの金ナノワイヤを二酸化マンガンでコーティングし、アクリル樹脂のような電解質ジェルで包み込んだのです。するとこのジェルは、単に金ナノワイヤを保護するに留まらず、コーティングの金属酸化物と反応することで、金ナノワイヤの腐食を防いでいたのです。

こうして作られるバッテリーは通常の充電式バッテリーの400倍、20万回以上充電しても5%程度しか性能が劣化しないというとんでもない長寿命を持つことになっています。極めて単純に計算すると、iPhoneを毎日充電して2年間(約700回)問題なく使えたとしたら、このバッテリーなら少なくとも300年間は使えるということになってしまいます(もちろんそれ以外の部品の寿命が先に尽きますが…)。

現時点ではまだ実験段階ですが、遠くない将来、スマホやPCなどのガジェットのバッテリーの取り替えで悩むことはなくなりそうです。

100k Cycles and Beyond Extraordinary Cycle Stability for MnO2 Nanowires Imparted by a Gel Electrolyte - ACS Energy Letters (ACS Publications)

Researchers Accidentally Make Batteries Last 400 Times Longer Popular Science

A Researcher Just Accidentally Developed A Battery That Could Last A Lifetime IFLScience

(Photo by Takashi Hososhima


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