Photo by Emil Erlandsson
この国では経営者だけでなく労働者も生産性向上には興味がないのかもしれません。詳細は以下から。
経団連の榊原会長が月100時間の残業という上限に対して「まあまあ妥当な水準」だと発言したことをBUZZAP!では大いに批判しましたが、残念ながら日本の社会人の半数近くは経営者側でなくても同意見であることが判明しました。
過労死ラインを20時間も超える「公序良俗違反」の残業100時間を「妥当な水準」とする経団連に怒り、抗議行動も | BUZZAP!(バザップ!)
日本経済新聞が行った世論調査によると、労働基準法改正案において残業時間の上限を繁忙月に「100時間未満」とする方針について最も多い43%が「妥当」と答えていたことが明らかになりました。驚くべき事に11%は「もっと長い方がよい」と答えています。
つまり、54%という半数以上の回答者が過労死ラインの80時間を20時間(正確には19時間59分59秒)超えたこの「100時間未満」という残業の上限について長過ぎると考えていないということ。
100時間の残業とは、月に20日間9時17時を定時として働くと仮定すると毎日22時まで残業するということ。東京では確かにこの程度の残業は日常茶飯事になっている人も少なくありません。過労死ラインを大幅に超えていることを頭では分かっていても、平常性バイアスが掛かってしまっているということなのでしょうか?
なお、回答者のうち男性は「妥当」が48%となって「もっと短く」の33%の1.5倍程度となっていますが、女性の場合は「もっと短く」が42%で「妥当」の37%よりも多くなっています。
また、残業時間の上限規制によって実際の残業時間が「減ると思う」と回答したのは24%に過ぎず、65%は「変わらないと思う」と回答しています。これは現在の残業が「100時間未満」だからなのか、法規制されようと企業が体質を改めることを諦めているからなのか、この調査からだけでは読み取れません。
残業100時間、「妥当」最多の43% 本社世論調査:日本経済新聞
(Photo by Emil Erlandsson)
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