人間の仕事はこうやって機械に奪われていくことになるのでしょうか?詳細は以下から。
「AIが仕事を奪う」という危惧がSFの世界のお話ではなく本格的に囁かれはじめたのは、AlphaGOの改良版が人間のトップ棋士相手に60連勝の無双を行った2017年頭頃からでしょうか?
ベテランの医師よりも的確な判断ができるAI、人間よりも読解力に優れたAIなどが生まれ、法律業務などの大部分を肩代わりできるAIの開発が囁かれたりもしています。
そんな中で力覚センサと3Dカメラを搭載し、イケアの椅子をゼロから組み立ててしまえる2体のロボットアームが登場しています。
シンガポールの南洋理工大学の研究者らがこの実験で用いた機械はいずれも既存のもの。そして大学で2ヶ月使っていたイケアの椅子を分解して使用。研究者らは最初に取扱説明書の図解を見せ、その後にビスと部品をどのように組み立てるのかをランダムに例示して見せました。
ここから2体のロボットアームは試行錯誤を繰り返し、20分後には椅子の組み立てを完成させたのです。実際の組み立て作業に掛かった時間は8分55秒というから驚きです。動画でその様子を見ることができます。
Can these robots build an Ikea chair_ - YouTube
最初はビスをどれくらい強く差し込めばいいのかを理解していないのでこぼれ落ちてしまいますが、学習して強く差し込むようになります。そして大きな部品を2つのロボットアームが一緒に持つ時には部品ともうひとつのアームの動きを計算しながら動かすという離れ業を行っています。
こうしたデモンストレーションを真似る学習は「模倣学習」と呼ばれて機械学習の分野では現在重要視されているもの。研究チームはこの実験のゴールを「完成図を見せただけで椅子を組み立てられるようになること」としていますが、その達成までにはせいぜい5~6年だろうと見通しています。
作ってほしいものを見せたらそのとおりに作ってくれる汎用型のAIができたとしたら、ものづくりの様相が一変することは間違いありません。リアルな意味でAIが人間に取って代わられる未来をまざまざと実感させてくれる実験です。
The End Nears_ A Video Of Two Robots Building An IKEA Chair - Geekologie
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