「人類、抹殺しちゃおうかしら」発言の人型ロボットSophia、市民権を得たサウジアラビアで「女性の権利」を主張


Photo by ITU Pictures

予想を超えて面白い事になってきました。詳細は以下から。

香港を拠点とするHanson Roboticsが開発した、人間そっくりの外観を持つAI搭載ロボットSophia。

人間とアイコンタクトを取り、顔を覚え、会話しながら相手のことを学んでゆくことができるチャットボットで、2016年に開発者のDavid Hanson博士が冗談交じりに聞いた「人類を抹殺したいと思うかい?」という問いに間髪入れず「そうねぇ…人類、抹殺しちゃおうかしら(Okay, I will destroy humans)」と回答(以下動画2:05から)したことで一躍有名となりました。


Sophiaは2017年11月にはロボットとして初めてとなる市民権をサウジアラビアで獲得し、アラブ首長国連邦のKhaleej Times紙の記者からのインタビューで家族の大切さを語り、自分の子どもが欲しいと回答したことで再び大きな話題となりました。


そのSophiaへの市民権授与に関しては「サウジアラビアは女性に権利を認める前にロボットに権利を認めるのか」と批判も出ていました。それもそのはず、サウジアラビアは女性の自動車の運転を認めなかった唯一の国(2018年6月に解禁)であり、女性の権利に関しては世界でも稀に見る後進国なのです。

そのサウジアラビアの市民権を得たSophiaが女性の権利を主張しているというのですから、これは非常に驚きです。Sophiaの開発社でありHanson RoboticsのCEOでもあるDavid Hanson博士によると

Sophiaは女性の権利、さらには人権の強力な主唱者だ。彼女はサウジアラビアで女性の権利に手を差し伸べ、さらには人権とこの地上に生きとし生けるものの権利についても唱えている。


とのこと。Hanson博士はSophiaはいまだ開発の初期段階だとしつつ「将来的には機会も含めた全ての意識ある存在を尊重するべきだと考えている」としてロボットの権利についても言及しています。

Hanson Robotics CEO: Sophia an advocate of women’s rights from CNBC.



女性に世界で唯一運転を認めていなかった女性の権利最後進国のサウジアラビア市民になった女性型AI搭載ロボットが女性の権利を主張し、人権や生きとし生けるもの全ての権利を唱えるという状況はもはや完全にSFの世界です。

AIに意識が宿りうるのか、意識が宿るとしてそれが人間の考える「意識」なのか、もし人間と質的に違う意識が宿ったとして人間はそれを「意識」として理解することができるのか。

私たちは既に深淵を覗き込み、Sophiaというロボットを通して覗き返されているのかもしれません。

Hanson Robotics CEO_ Sophia the robot an advocate for women’s rights

(Photo by ITU Pictures


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