iPhone XS/XRシリーズ発表時に「こんな高いの誰が買うの?」と思っていた人は、間違っていなかったようです。詳細は以下から。
◆高額化しすぎてスマホが売れない事態に
日本経済新聞社の報道によると、iPhone XSシリーズをはじめとした10万円を超える高価格スマホによって、全国の携帯電話販売店に在庫が積み上がっているそうです。
「機能の進化に対して値上がり幅が大きすぎる」と相次いで指摘されており、新型でなく1世代前の「iPhone 8」を買い求めるユーザーが多いとのこと。
2年分割しても端末代だけで月額4000~5000円になる最新スマホたち。そのため携帯各社は48回払いで購入し、2年後の機種変更時に本体を返却すると残債が免除される仕組みを導入しましたが、「契約者を長期で囲い込むことになる」と批判を受けています。
なお、スマホ本体の高価格化による影響はすさまじく、BCNの調査では発売後3ヶ月間の販売台数は「iPhoneXS」が2世代前の「iPhone 7」比66%減、「iPhone XR」も51%減。ドコモの2018年10~12月期スマホ販売台数も前年同期比8%減の316万台、auは14%減の191万台と落ち込んでいます。
本来なら「iPhone 7ユーザーの大半がiPhone XSに移行し、廉価版のXRで裾野を広げてトータルでシェアを拡大する」といった構図になるはずが、XSに移行したユーザーはわずか3分の1。
XS/XRを合算しても7を下回っており、スマホの高価格化がどれだけ大きな影響をもたらしたかを示す結果となっています。
◆分離プラン導入で「国民皆iPhoneから国民皆中華スマホ」に?
電気通信事業法改正で今夏から「分離プラン」が義務化されることで、通信回線とのセット契約によるスマホ本体の割引が禁止になる携帯電話業界。
日本経済新聞社は「中古端末、とりわけ旧型のiPhoneも注目されそうだ」とした上で、MVNOが提供する格安SIMなどを組み合わせれば大手各社よりも大幅に安くなるケースを挙げていますが、以前Buzzap!で指摘した通り、中古スマホには問題が山積みなのが現状です。
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少子高齢化で国民の平均年齢が46歳を超え、ITリテラシーの向上が見込みづらい昨今、何かあった時に店頭でサポートを受けられる大手各社からMVNOなどに大幅な移動が起きるのは難しいとみられます。
このままでは「iPhoneから費用対効果の高い中国メーカーのミドルレンジ~エントリースマホへ移行するユーザーが増え、買い換えサイクルも伸びて携帯電話の販売数ガタ落ち。販売店がバタバタ倒産して5Gへの移行も遅くなる」という未来すら見えてきます。
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