本人が望むかどうかに関わらず、多くの女性が化粧するよう求められているのが現代社会。
ですが「厚化粧の女性は知能もモラルも低く、簡単にヤレる」という理不尽な偏見が今も根強いことが浮き彫りにされました。詳細は以下から。
ジャーナル「European Journal of Social Psychology」に発表された研究は、化粧が女性への評価をポジティブにするものの、厚化粧だとネガティブになることを2つの実験で明らかにしました。
この実験は化粧が女性の自己認識や他人からの認識がどう変わるかを調べるもの。
最初の実験では18~59歳の女性に「デート」「就職面接」「インスタ撮影」対照実験として「スーパーに行く」の4つの場面での化粧をデジタルアプリ(もしくは筆記)を用いて再現してもらいます。
その後被験者らは、それぞれの化粧をした自分の顔に対し、知性、人間性、他の女性に対する競争力、パートナーの嫉妬への反応について自己評価しました。
この実験では女性らがどんな場面でどんな化粧をしていても、自己評価に特別の変化がなかったことが分かりました。
第2の実験では被験者の男女877人が、第1実験の化粧前後それぞれ101枚の写真を見て、彼女らの知性とモラルの度合いをどう感じたかのアンケートに回答しました。
その結果女性の化粧の量によって、彼女らの魅力や性的な振る舞いへの判断が変化し、知性やモラルへの評価に影響していたことが判明しました。
化粧をした女性はより魅力的で、知性やモラルにあふれるとされましたが、厚化粧では「簡単にヤレる女」と見られ、知性やモラルも低いと判断されたのです。
研究では化粧の魅力で女性が性的対象になるというつながりは示されず、厚化粧で知性やモラルが低いと判断された女性が「簡単にヤレる」とされがちになることを明らかにしました。
筆者は、化粧するように女性が社会的圧力を受ける一方で、その化粧が女性への有害な偏見を生み出していることを指摘します。
女性が多くの場合男性への媚びではなく、社会的要請や自分のテンションを上げるために化粧しているのはネット上でもたびたび主張されるとおり。不用意な勘違いでのセクハラにならないよう、十分注意する必要があります。
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