ヴァラナシのガンジス河は火葬した死体を流すことで有名です。そして「人間を食べた魚」と言われて日本人からは敬遠されがちなガンジス河の魚、一体どんな味がするのかチャレンジしてみました。
ヴァラナシの火葬場では連日連夜亡くなった人を荼毘に付し、骨や灰をそのままガンジス河に流しています。そして、その火葬場のすぐ近くでも魚を獲っている光景をよく目にするのですが、この魚もちろん食用です。
ヴァラナシはヒンドゥー教の聖地のため、比較的ベジタリアン色が強めなのですが、イスラム教徒も大勢住んでいるため一部チキンやマトンなどの肉が食べられる場所があり、ガンジス河の魚もそのエリアで食べることができます。
日が暮れた後、埃っぽい車通りの一角でそんな屋台を見つけました。
これがガンジス河の魚の切り身。かなり大きいです。
一人前注文してみました。席について待ちます。シンプルながらきれいに整ったキッチン。
このおじいちゃんがフライ係です。マサラたっぷりの衣を付けて油の中にガンジス河の魚が放り込まれました。
待つこと数分、からっと揚がりました。
これを青唐辛子を使ったソースで和え、紫玉ねぎのスライスをトッピングしてできあがり。お腹の鳴りそうなスパイシーな香りが漂ってきます。
何を食べているのか分からないガンジス・フィッシュ、食べてみるとふわっと柔らかく、濃厚な脂がたっぷり乗っていてとてもジューシー。マサラやソースのおかげでギトギトせず、いくらでも食べれてしまいそう。皮はパリっと香ばしく、中の白身の火の通り具合もばっちりです。決して半生なんてことはありません。
思わず完食してしまいました。確かにヴァラナシのガンジス河には死体やゴミや生活排水が流れ込み、水質汚染が問題視されています。でも、ガンジス河は聖なる河なのでそんなこと程度で穢れるはずもなく、そこに住む魚もインド人的にはノープロブレムということなのでしょう。
日本とは全く違った発想、理屈で提供されるこのある意味究極の食材、インドまで来たら一度試してみてはいかがでしょうか?ポピュラーな「ガンジス河での沐浴」とはまた違った経験になること間違いなしです。
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